獅子は何度も崖を昇る

ポニーリーグでは3年生は夏の全日本選手権を境にカテゴリーが変わる。

2年生以下は選手権後に所謂「Aチーム」となる。

全日本選手権を制したチームも代が代わり、昨年の夏にあった東日本大会、関東秋季大会、全日本選抜大会と悔しい結果が続いた。

負けを知って強くなれるとしても、常勝チームと呼ばれる程のチームにあってはあまりに悔しさがあったはず。

春季大会連覇とは言え、「Aチーム」のユニフォームでは初の栄冠。

準決勝の相手チームは昨年秋の大会で、決勝の相手チームは東日本大会で敗れた相手。

今回の春季大会での優勝はチーム関係者の誰もが、そして誰もに求められたもの。

これまで何度も崖の下に落とされたかの如く、様々な感情でその度に登り続けたはず。

生き返ったわけではない。傷だらけになりながら意地で登り続けていたのだ。
しかし、この春季大会は頂きではない。まだ先がある。

それを知っているから更に登り続ける。

獅子は何度も崖を昇る、

頂きからの咆哮が一番遠く強く響く事を知っている。

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