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拉麺ポテチ都知事5「小学生のコピーライティング」

このエッセイ、最初は不定期更新と言いながら細かく更新していたが、2週ほど開けてしまった。まあ緩く続けていこう。

説明をすることもなく、すでに5回目を迎えてしまったのだが、タイトルの『拉麺ポテチ都知事』は私の名前に関するフックの変遷を表している。大学の頃までは自己紹介とともに「ラーメン大好き小池さん」と添えておけば大体覚えてもらうことができた。それが20代中盤以降は「湖池屋のポテトチップス」になり、今では「都知事」になっているという、それだけのことだ。

最新型のフックは良くも悪くもかなり強力で大体覚えてもらえるゆえに、取材先などで「都知事で覚えてください」と添えることもしばしばある。だが今となっては『ポテチ知事拉麺』にしておけばよかったと悔やまれてならない。そうすれば略した時に「PCR」となったのになあ。こういうところでコピーライティングの勘が冴えるかどうかが、出世の有無に大きく影響するのである。

この様に時流を掴むことはできなかったが、小学生の頃にコピーを考えることに燃えた時期があった。それは生徒会長を務めた6年生の時。私は生徒ひとりひとりの学校生活や環境の改善、進歩を考えることよりも、ひたすら長期休暇や運動会についてのテーマやスローガンを考えていたのだった。

それがどんな文句だったかは忘却の彼方であるが、自分の中で一番ベストだったものは、全学年の夏休みの過ごし方についてのテーマ「遊べ、学べ、夏休み」。今思えば大したものでもないのだが、これが浮かんだ時は大層なドヤ顔を浮かべてうっとりしていたと思う。やっていることが現行の都知事とあまりにリンクしてしまうが、田舎者でパルコも知らぬというのにコピーライターの真似事に興じる小学生であった。

このコピーライティングの経験は今も曲のタイトルやブログのタイトルなどの命名に役立っている。これまで数多の曲を書いてきたが「命名」という熟語が示す通り、タイトルはものごとにとってかなり重要な要素だ。

これまで作った曲で印象に残っているタイトルは、

「シャッターシティブルース」
地元の山梨・甲府のシャッター街についての曲

「ZipperGirls」
雑誌『Zipper』を起点に服と精神的なジッパーを掛けた曲

「ドラッグストアクイーン」
個人的にドラァグクイーンがいるなら、ドラッグストアクイーンもいるだろうと思って書いた曲

「Ageha, the little devil」
雑誌『小悪魔アゲハ』から

「ライクライ」
SNSにおけるLikeとcryを合わせて作った造語。いいねの病を表している。


曲以外だと、

「戦前までの宇野千代論 文体=スタイル=着物」(大学卒論)
「ネオホットクラブ」(主宰イベント)
「Just 30's Heart Brake」(主宰イベント「上海の夜」サブタイトル)
「アップデイト&アンインストール」(主宰イベント「火と風」サブタイトル)
「TOO MUCH DECORATION」(tumblr)

といったところだろうか。キャッチコピーは居合いの様なもので、センスと閃きだけが勝負の厳しい領域だ。しかし職業や出世、成功とは関係なく、私はこれからもたくさんのものに名前を吹き込んでいきたいと思っている。

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