【コーチ必見】見込み客の「切実な悩み」を引き出す質問力
以前に商品づくりの視点として、
見込み客の望みと悩みの切り口があることを
記事にまとめましたが、
今回はその内容を更に発展させていきます。
こんな悩みを抱えていませんか?
無料セッションを提供しても、なかなか成約に結びつかない
クライアントの本当の課題が見えてこない
「考えておきます」と言われて、そのまま音信不通になってしまう
表面的な会話で終わってしまい、深い信頼関係が築けない
成約率が上がらず、コーチングビジネスの収益が伸び悩んでいる
もしこれらの課題を感じているなら、あなたは「質問力」を磨くべき時期かもしれません。
なぜ「切実な悩み」を引き出すことが重要なのか
人は一般的に、「こうなれたらいいな」という願望よりも、「今この苦しみから抜け出したい」という切実な思いの方が、行動を起こす原動力になります。
「表面的な悩み」と「切実な悩み」の見分け方
表面的な悩みの特徴と具体例
特徴
「できれば解決したい」程度の願望
具体的な目標や期限が設定されていない
周囲の影響で感じている一時的な不安
費用をかけてまで解決したくない
具体例
キャリア関連
「なんとなく今の仕事に物足りなさを感じる」
「いつか独立できたらいいな」
「昇進できたら嬉しいけど、今のままでも別に…」
収入関連
「もう少し給料が上がるといいな」
「副業でもしてみようかな」
「投資も気になるけど、リスクは取りたくない」
人間関係
「もっと人脈が広がるといいな」
「上司との関係をよくしたい」
「チームメンバーともっと仲良くなれたら」
自己啓発
「時間があれば勉強したい」
「いつか英語を勉強し直したい」
「本をもっと読んだ方がいいのかな」
切実な悩みの特徴と具体例
特徴
早急に解決したい緊急性の高い課題
具体的な目標と期限が明確
現状維持が精神的・経済的な痛みを伴う
解決のためなら相応の投資を惜しまない
具体例
キャリア関連
「このままでは会社の再編で真っ先にリストラの対象になりそうで、夜も眠れない」
「来年40歳を迎えるまでに、絶対に独立したい。このままサラリーマンを続けていては、子どもに胸を張れない」
「部下のパフォーマンスが上がらず、自分の評価も下がっている。このままでは次の昇進も厳しい」
収入関連
「住宅ローンの返済が厳しく、このままでは破産するかもしれない」
「子どもの教育費が払えず、来月から学校を辞めさせなければならない状況」
「両親の介護費用が毎月50万円かかっており、貯金が底をつきそう」
人間関係
「部下とのコミュニケーションが原因で、すでに3人が退職。今度失敗したら自分の降格は確実」
「夫婦関係が限界で、子どもにも影響が出始めている。このままでは離婚も視野に入れざるを得ない」
「チーム内の人間関係が原因で精神的に追い詰められ、すでに2週間も出社できていない」
自己啓発
「このままDXに対応できないと、次の組織再編で確実に役職を外される」
「3ヶ月後の海外赴任が決まっているのに、まったく英語が話せない」
「部長昇進の条件にMBAが設定されており、来年までに取得しないと昇進できない」
同じテーマでも表現が異なる例
テーマ:年収アップ
表面的な悩み:
「もっと稼げたらいいな」
「収入を上げる方法があれば知りたい」
「副業にも興味はある」
切実な悩み:
「このままの収入では、来年子どもを私立高校に入学させることができない」
「両親の介護で毎月50万円の赤字が出ており、あと半年で貯金が底をつく」
「住宅ローンが払えず、妻子を路頭に迷わせてしまうかもしれない」
テーマ:ビジネススキル
表面的な悩み:
「プレゼンがうまくなりたい」
「リーダーシップを身につけたい」
「部下育成の本を読もうと思っている」
切実な悩み:
「来月のプレゼンで失敗したら、確実にプロジェクトリーダーを外される」
「部下3人が突然退職を申し出て、チーム運営が立ち行かなくなっている」
「マネジメント力不足を理由に、すでに2回の降格を言い渡されている」
見極めのポイント
具体的な数字の有無
表面的:漠然とした表現
切実:金額、期限、人数など具体的な数字がある
時間的な制約
表面的:「いつか」「そのうち」
切実:「来月まで」「3ヶ月以内」など明確
影響の範囲
表面的:個人の願望レベル
切実:家族、仕事、人生全体に影響
感情の強さ
表面的:「できたらいいな」程度
切実:不安、焦り、危機感が強く表れている
このような具体例を頭に入れておくことで、初回セッションでの質問の方向性が定まり、より効果的なアプローチが可能になります。
切実な悩みを引き出す7つの質問フレームワーク
1. 現状の痛みを具体化する質問
「その悩みによって、具体的にどのような影響が出ていますか?」
「それによって、毎月どのくらいの機会損失が発生していますか?」
「その状況は、あなたの家族にどのような影響を与えていますか?」
2. 時間軸を意識させる質問
「このまま6ヶ月後、何も変わらなかったとしたら、どうなると思いますか?」
「いつまでに、この状況を変えたいとお考えですか?」
「理想的なタイミングは、いつ頃でしょうか?」
3. 感情に寄り添う質問
「その状況について、どのようなお気持ちですか?」
「夜、眠れないほど悩むことはありますか?」
「周囲の方々は、この状況をどのように見ていますか?」
4. 解決への本気度を確認する質問
「この課題を解決するために、どこまで投資する覚悟がありますか?」
「今までに、どのような解決策を試してきましたか?」
「理想の状態に向けて、何を諦める覚悟がありますか?」
5. 具体的なゴールを描く質問
「理想的な状態とは、具体的にどのような状態ですか?」
「その状態が実現したとき、何が一番変わっていますか?」
「周囲の方々は、どのような反応をすると思いますか?」
6. 行動の優先順位を確認する質問
「現在、この課題の解決は、優先順位の中で何番目ですか?」
「解決のために、何を後回しにする覚悟がありますか?」
「毎日どのくらいの時間を、この課題に充てられますか?」
7. コミットメントを引き出す質問
「その理想の状態のために、今すぐ始められることは何ですか?」
「次の一歩として、具体的に何をしようとお考えですか?」
「いつから、その行動を始めたいとお考えですか?」
質問時の3つの重要なポイント
1. 沈黙を恐れない
質問後の「間」は、クライアントが深く考えるための大切な時間
焦って次の質問を投げかけないよう注意する
クライアントの表情や仕草にも注目する
2. 傾聴の姿勢を保つ
相手の言葉を遮らない
否定や評価を避ける
相手の言葉を受け止めながら、更に深掘りする
3. フォローアップ質問を準備する
表面的な回答に対して、具体例を求める
「なぜそう思うのですか?」と理由を掘り下げる
「具体的には?」と詳細を確認する
よくある失敗パターンと対処法
1. 結論を急ぎすぎる
❌ 「では、今日からコーチングを始めましょうか?」
⭕️ 「今のお話を踏まえて、次のステップについてどうお考えですか?」
2. 自分の経験を押しつける
❌ 「私の場合は、こうして解決しました」
⭕️ 「あなたならどのような解決方法が合うと思いますか?」
3. 表面的な回答で満足する
❌ 「なるほど、分かりました」
⭕️ 「もう少し具体的に教えていただけますか?」
まとめ:質問力を磨くための実践ステップ
毎回の面談で、上記の質問フレームワークを最低1つは試す
クライアントの回答を記録し、どの質問が効果的だったか振り返る
他のコーチとの情報交換を通じて、質問のバリエーションを増やす
定期的に自分の質問パターンを見直し、改善点を見つける
クライアントからのフィードバックを積極的に求める
このフレームワークを活用することで、見込み客の本質的な悩みを引き出し、より高い成約率につなげることができます。重要なのは、これらの質問を機械的に行うのではなく、クライアントとの信頼関係を築きながら、適切なタイミングで使用することです。
実践を重ねることで、あなたならではの質問スタイルが確立され、より多くのクライアントの人生に、真の変化をもたらすことができるでしょう。