顔見せNGな自然界の歌い手。
珍しく、野生のコオロギを見かけた。
本来は臆病で人前になんか滅多に出ない彼らだが、どういう訳かめっちゃ目立ってしまうであろう白い壁を歩いていた。
急ぎで何処かに向かっていたのだろう。やむを得ない事情というのは、野生動物にだってある。
コオロギといえば、やはりあの美しい歌声だろう。秋の夜を彩るには欠かせない生き物だ。
季節の風情を大切にする人間にとって、コオロギのいない秋はかなり物足りないものになるだろう。
チキンナゲットにソースを付けずに食べるような、味気ない時間になるはず