そしてこれは目の治療費に

放送終了後、計ったようにちらちらと雪が舞い降りてきた。

citylightsの原題はどこか懐かしい。ラスト、チャップリンが地面から手に取った花の蕾は、何色なのだろうか。

「街の灯」はスタンリー・キューブリックが好きな映画として挙げている。無事再会を果たした二人を、かつて名画座で見つめる若き写真家がいたのだ。その目元は連日連夜のシャッターチャンスでクマがくっきりと出ている。映画はアクション、とハリウッドの著名な脚本コンサルタントは言う。ごくシンプルに、この名作は証明している。

キューブリックは後に短編ドキュメンタリーを制作するが、ボクシングを題材としている。文字通り「シャシン」を街に灯したのである。

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