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JINS MEME を11ヶ月使い続けてみて

みなさん、こんにちは。これまでのエントリで、JINS MEMEというメガネ型のウェアラブルデバイスを購入、試用してきたことを記述してきましたが、JINS MEMEのアプリがサブスクリプション型のサービスで、そろそろ一年間の期限を迎えることから、これまで使ってきた所感をまとめておこうと思っています。

これまでの振り返り

↓ これまで書いたエントリは以下です。

振り返ると、おおよそ半年に一度のペースで所感を記していたようです。

ハードウェア面について

2021年以前にあったJINS MEMEは、つるの部分にバッテリーがあり、USBケーブルを接続して充電するのですが、兎にも角にもサイズが大きく、全体的に太めのディテールで、想像以上にかけにくいものでした。データを取るためという理由だけでは、(個人的には)使い続けるのが難しいな~という印象でした。

それに比べると、今回の製品はだいぶ小型になりました。とは言っても、店頭に並ぶ他のメガネと比べるとそれでも大きいという印象です。私はそれまで細い眼鏡をかけていたので、この大きさに慣れるのに結構時間がかかったと思います。

製品自体は、オンラインでも購入可能です。オンラインで購入して、店舗でかけ心地を調整する、といったことができるのですが、この店舗探しでちょっと苦労がありました。

店舗でのサポート体制について

JINS MEMEはどの店舗でも扱っているわけではありません。つまり、取り扱い店舗に行かないと、かけ心地の調整に対応いただけないという出来事がありました。これは全国展開しているサービスであったとしても、デメリットのように思います。

店舗の方からのお話も合わせて、私の体験上で申し上げると、「全く対応できないわけではないが、センサーが破損したときにその場で対応できなくなる」という背景があり、フル対応できる店舗が限られてしまうと。つるの部分だけを修正しても、鼻あての位置が悪ければ、かけ心地が最適化されないわけで、それができる店舗は限られるということでした。。。都心であればそれなりに選択肢がありそうですが、郊外にお住まいの方からすると、ちょっと不便に感じてしまうかもしれません。

アジャスターの登場

もう一点気になった点としては、いくらかけ心地を修正しても、眼鏡自体が重くて、下にさがってきてしまう事がありました。こうなると、かけ心地事前の問題・・・と思って悩んでいたのですが、そう思っている頃にかけ心地を補正するアジャスターがリリースされ、店頭で無償配布される動きがありました。

これは私にとっては朗報でした。それと同時に、私と同じようなことを思う人が結構いらしたのだなと思いました。早速店頭に受け取りに行き、セットアップすると傾きに関する問題は概ねクリアされていったと思います。これは非常にありがたい出来事でした。

ソフトウェア面について

JINS MEMEは購入してから1年の間、iOS/Androidアプリ「JINS MEME」を使うことができます。アプリを使えばメガネ装着時の瞬きの回数や頭の傾きなどを検知し、それをデータとして取り込むことが可能です。

ソフトウェアも常に更新されていっていましたので、サービスプロダクトに力を入れていることは理解しているのですが、このデータ活用について、「これ!」という使い方が見出しにくかったという面もあります。

アプリからの提案

JINS MEMEとしては、集中度の低下や、体の傾きが一定のしきい値に達した際にプッシュ通知でユーザに伝達し、体を動かすなど休息を促す仕組みがありました。私は仕事の都合上、PCであることが画面をよく見ていますが、作業に没頭してしまい、思った以上に時間が過ぎていた・・・ということがあります。こうした場合に、眼鏡から得られるデータを用いて本人に伝える(=気づかせる)というアプローチは面白いと思いました。

これは各人の仕事によるところが大きいかもしれませんが、ある程度自分で休息が取れる、自分のペースで進められるという人はアプリを使わなくてもそれぞれ自己管理をされていらっしゃるように思います。ただ、アプリを使うことでどんな休息をしたら良いのか、ヒントが得られると思いました。オフィスで働くことを想定したストレッチなどを提案されるので、このあたりも考えて作っているなって感じます。

データから見るインサイト

実際にメガネをかけて活動していると、集中度や没入度、体の傾きなどがダッシュボードとして表示されるので、これはこれで楽しいです。会議の時間帯と作業の時間では計測される値に傾向が見られますので、変化があるポイントに何があったのか?を意識して一日を振り返れます。

私の場合は在宅勤務が多く、割と自分のペースを保ちながら仕事ができていた方かもしれません。一方でオフィスに出社した場合は、チームメンバーとコミュニケーションを取ることも増えますので、集中するということは一緒であっても、その集中する内容が異なるような気がしました。

とはいえ、それが具体的に何か?と言われると、なかなか答えが出てこないというのもあります。それは今まで無かったアプローチだからかもしれません。今後こうしたデータから何をすべきか?そもそもデータを得てどうしたいのか?が明確になると、より良いものが得られそうな気がします。

デバイスとの連携

JINS MEMEを使う中でスマホの機種変更(iPhone 14 Pro)がありました。このタイミングでアプリを起動することができなくなりました。。。Webサイトを見ても、対応機種の中に同製品がないため、おそらく改修している最中かもしれません。APPが最新のデバイスとの連携ができないため、そもそもダッシュボードが見れなくなるという事態に陥り、使い続けていた記録もストップ。しばらく様子見。。。となってしまいました。

また、JINS MEMEアプリで結果が見えるものの、RAWDATAをそのまま保存しておくことができない?ということに気が付きました。データの保存は別アプリ(JINS MEME LOGGER:120円)を使う必要がありそうです。はじめにしっかりチェックしなかったのが悪いのですが、元データはちょっと確保しておきたかった、という思いがあります。

JINS MEMEアプリはデータを集積してビジュアル化するBI的な機能を備えていて、それはそれで十分意味があるのですが、このアプリ自体がサブスクリプション型のサービスなため、契約解除すると過去データが見れなくなります。年間5,000円なのですが、ちょっと悩ましいです。

メガネ型デバイスを取り巻く市場

ここ最近はスマートグラスと呼ばれるカテゴリで、多数のメーカーからメガネ型のデバイスが登場しています。例えばファーウェイがスマートグラスを出した時はTVでも報道されていたように思います。こちらはつるの部分にマイクとスピーカーが入っていて、Web会議などする時にイヤホン不要というデバイスで、JINSとはアプローチが全く異なります。

EPSONは有機EL液晶を搭載したスマートグラスを出しています。眼鏡の中で別画面が見えるという感じですね。かなり特徴的なビジュアルで、かけるのはちょっと勇気がいるかも・・・

これらの製品以外にもHTC VIVEのようなヘッドマウントディスプレイもこの領域に近いかもしれません。

そう考えると、JINSは上記の製品とはアプローチが異なり、ひとの健康面にフォーカスしていることに気が付きます。何を軸にするかで、これだけ製品のアウトプットが変わるのですね。JINS MEMEも悪いわけではないので、更にブラッシュアップして、この領域を盛り上げていただきたいと思う今日このごろ。

こうして振り返ってみると、眼鏡にもIoTのような動きが出てくるとは近未来の話だと思っていましたが、未来は結構近くにあるのかもしれないですね。これもまた面白いなと思います。

この記事が参加している募集

大学を卒業後、約15年間写真スタジオ、写真機材販売、北欧カメラメーカーの日本法人立ち上げなど行う。その後ITベンチャーにてマーケティング業務に従事しながら大学院に通いMBAを取得。現在もスタートアップ企業にて奔走中。