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【啓蒙】姿勢を確認する前屈テストはぜひ数値化を

前屈テスト(FBT;forward bending test)は側弯症(scoliosis)の評価法として有名です。学校検診でも奨励されているものです。前屈した状態を後ろから観察して背中の隆起(hump)の左右差を確認するものです。

ここでみられる隆起は、胸部は肋骨の隆起で、腰部は肋骨突起の隆起です。これは脊柱の回旋(捻れ)を示しています。

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場合によっては、筋肉の張りによる隆起のこともありますので骨の隆起かどうかを確認する必要はあります。

側弯症の場合レントゲン像によるコブ角という角度を測定するのが基本ですが、頻繁な放射線の被爆は悪性腫瘍の発生率を高めることが知られているので特に欧州では奨励されていません。

医療被曝についてはこちらの記事が参考になります。

「医療被曝と発がんの報道を見て」前群馬大学放射線学医学教室教授 新部英男
「医療被曝を考える」対談日本放射線技術学会雑誌
「小児医療被曝の捉え方」総合病院国保旭中央病院放射線科 五十嵐隆元

医療被曝に関してはベネフィットとの天秤といことですね。ただ、できるだけ被曝リスクを減らす事は重要です。

前屈テストはそういう意味でも被曝のリスクはなく、脊柱の状態を把握し、経過も観察ができる優れた検査法です。

当社では開発したスコリオメーターアダプターはスマホの水平器を使って、脊柱の捻れを数値化できます。多くの国では、目視ではなくスコリオメーターによって数値化しています。

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まだ日本では認知度が少ないですが、学校の保健室や、意識の高い親であれば購入し検査するということが当たり前になれば、早期発見、早期介入が可能になり、大事にならずにすむ世の中になると思います。

自宅での検査の必要背についてこちらの文献も参考になります。

「思春期特発性側弯症患者の発見理由の検討」整形外科と災害外科

また側弯症の発生率は、クラシックバレエ、バドミントン、バレーボール、バスケットボールなどのスポーツに特異的に高いということが報告されています。

心身の健康に良かれと思って奨励したスポーツによって、脊柱の変形が惹起されるとなるとは残念ですよね。

左右非対称の強度の運動習慣は、脊柱の偏位を起こします。この事実に気付いている運動指導者やコーチなどはほぼいないでしょう。そういう意味で、今この瞬間にも、脊柱変形が製造されています。

そのような子どもの運動に関与している指導者は、責任を持って脊柱の状態を検査すべきです。親も、指導者がそのような事実を知らないのであるならば指摘すべきです。または教えてあげるべきです。

子どものために学びや、検査などによって早期発見する努力のしない施設や指導者は淘汰されるべきです。前屈テストの有効性は常識であり、スポーツとの関連についても、海外はもとより日本でも大規模調査で報告されています。

「思春期特発性側弯症とスポーツ活動や生活習慣との関連」慶應義塾大学

まずは、啓蒙が必要です。必要性に共感された方はぜひ記事のシェアお願いします。

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側弯症関連の以前の記事はこちら。


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