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臨床に活かす比較解剖学Vol.2

比較解剖学の第2弾です。

臨床をしているとよく感じることですが、進化の中で最近獲得してきた機能は衰えやすいです。退化してしまうということだろうと思います。進化の度合いが浅いというか、

例えば、、、

・ヒトにしかない腰椎の前弯は失われると、腰曲がりになり高齢者特有の姿勢を作ります。
・伸びてきた下肢がヒトの特徴ですが、これも高齢者になると膝が曲がってしまいますね。
・足のアーチもヒト特有ですが扁平足は多くの方が悩んでいますね。
・ヒトの膝は股関節に対して内側に位置しますが他の類人猿は外です。ヒトの退化状態がO脚だということが言えます。
・ヒトの頭は脊柱の真上であり重たい脳を効率的に支えますが、退化すると頭は前に位置して猫背になっていきます。

このように、退化というか先祖返り的な変化が多くの障害や変形に見て取れます。このように考えると、進化で最近(と言っても何百万年かかっていますが、、、)獲得してきた機能や特徴は衰えやすいから、その機能をしっかりと使う生活習慣をしていかないといけないということです。

進化の結果としてある今の機能を当たり前だとは考えないで、維持しなくてはいけません。「当たり前」という考え方が厄介ですね。感謝しないといけないのです、直立二足であることに。

また、退化ではなく進化し過ぎ?と思うものも存在します。ヒトの特徴が過ぎている状態という感じです。

例えば、、、
・本来足は手のように開いていましたが、足の母指が他の指と平行になったのはヒトの特徴です。外反母趾はその指が今度は逆に行き過ぎた状態ですね。
・膝の過伸展(反張膝)も下肢が伸びたヒト特有の行き過ぎた状態ですね。
・X脚も同じく膝が内側に入ってきたヒトの特徴の行き過ぎの結果です。

比較解剖学を通して、ヒトの特徴が理解できると、世の中に溢れている不調や障害に関しても、また違った視点で考察することができます。

では今回も、類人猿とヒトとの骨格比較を見ていきたいと思います。

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