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【マガジン】筋肉の「長さ-張力曲線」について

筋肉はアーサナでとても重要な要素です。体を動かして姿勢を保持するわけですから、その力源は筋肉ですね。

そこで、一つ知っておきたいのが今回解説する筋の「長さ-張力曲線」です。

まずはよく生理学の教科書に載っている有名な図を見てみましょう。

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筋張力曲線

これが何を示しているかというと、3つの張力が長さによってどう変わっているかというものです。

3つの張力とは、①自動的張力、②他動的張力、③全張力です。

自動的張力+他動的張力=全張力

というのは分かりますね。では、自動、他動とはどういうことでしょうか?

自動とは、自分自身ということですから、純粋な筋肉の収縮によって発揮される力です。対して、他動とは腱とか筋肉そのものの物理的な伸張力です。弛緩した筋肉であっても当然物質ですから張力がありますね。

腱は特に筋肉の中(筋内腱)にも存在するので、筋肉が引っ張られると張力を発揮します。

静止長というのは、筋肉を取り出した時の長さですね。実験的な話なので、生体ではというよりは、筋肉そのものという意味で捉えてください。

大切なのは筋肉は自分で収縮するには、その静止長がmaxだということです。それよりも短くても長くても張力は低下します。

しかし、他動的な腱などは静止長よりも伸ばされると伸張するため、自動的張力が低下しても、全張力としてはある点を過ぎると、静止長よりも強くなります。

ただし、この他動的張力は当然限度があります。つまり、筋肉や腱が切れてしまえば終わり、ゼロとなります。

この図から、まずおさえて欲しいことは、、、

筋肉は静止長が自動的張力の最大であり、短くても長くても低下する

ということです。そして多くの筋肉の静止長は、関節の中間位という位置です。

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