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【側弯症】背骨の術後のトレーニング

側弯症の手術は、固定術といわれる可動性を失う代わりに安定性を得るというものです。曲がっていくのは脊柱の剛性力が弱いためだという考えから、背骨を矯正して固定してしまえば進行はしないというものです。

中には一度手術したものの、様々な理由でボルトなどを抜去する方もいますが、基本的に背骨はそれぞれの椎体が強直し、固定されて動きませんので問題はありません。

基本的に手術直後もコルセットをはめれば直ぐに立てますし、歩行器などで歩けます。入院期間もそこまで長くなく、抜糸すれば普通の生活に戻れます。

背骨が完全に固定して安定するまでには数ヶ月かかりますので、コルセットを取ったり、運動をするのは医師の許可が必要ですが、それでも年単位ではなく半年くらいでほぼ普通の生活となります。

ですので、術後のリハビリテーションもそこまで重点を置かれないことがほとんどです。コルセットで安全を守っていれば、固定するまで待つくらいしかないのが現状です。

しかし、実際に側弯症の術後のトレーニングに関して問い合わせがあることも事実です。

例えば、、、。

【問い合わせ内容】

「『治ったので何をしてもいい』と言われたが不安です、、、。」

これは先生の説明の仕方が不十分なため、患者さんが不安を感じているということでしょう。正確な説明としては以下のようになるでしょう。

「背骨は固定しているので治ったわけではないが、日常的な生活には問題がないし進行の心配はない。ボルトが入って固定しているため、体を強く捻じたりぶつかるようなスポーツは避けて下さい。」

以前、やはり治ったので何をしてもいいと言われて、それをそのまま鵜呑みにして野球をし、ボルトが破損して再手術になったという方がいました。医師にとっての当たり前は患者にとっては当たり前ではないので、しっかりとした説明が必要です。

その他にも、

「術後に痺れがあり動くのが辛いです。何がいい運動はありますか?」

これは、術前からなのか、術後のものなのか詳細はわかりませんが、いずれにせよ神経に骨なり金具なりがぶつかるのか、またはどこかに不安定な部分があって、そこが動くことで神経に何かしらストレスを与えていると推測されます。

根本的な解決方法はその原因によって異なりますが、不安定な部分があってというのであれが、体幹(脊柱)を安定化させることが必要です。

以前、術後20年程度経って、痺れや痛みがひどく引きこもりのようになっている方に関わることがあり、不安定性だと思ったので、体幹を安定化させるトレーニングを指導したところ、痛みもなくなり仕事に復帰できたということがありました。

その時に指導した内容を含めて、最近動画をとってYoutubeに載せました。

不安定性が原因という方、また術後に何か運動をしたいけれど、不安があるという方の参考になればいいなと思っています。

以下、動画をここにもリンクしますので、知り合いなどで困っている方がいたら紹介してあげて下さい。

【術後のオススメトレーニング】


ポイントは全て、体幹を安定化させたまま、重力や自重を使って鍛える方法と、肩関節、股関節の動きを作る、そして特に重要なのが下半身の筋力です。歩く時や階段などの衝撃を吸収するのが下半身の筋肉です。

手術の効果を最大限に生かして、長くいい状態を保つために、ぜひ上記のトレーニングを行ってみて下さい。

不安がなくなったら、背骨を大きく動かすもの以外のスポーツを楽しむのもいいと思います。

控えた方がいいスポーツは、ダンスや水泳、球技、ゴルフ、ランニング、ヨガなどです。逆におすすめできるスポーツは、登山やウォーキングなどです。自分のペースで大きな動きではなくコツコツと動けるものです。自転車もロードのように前傾にならないアップライトのものならばいいと思います。

自分の注意すべきとを正確に理解できていればそれ以上の不安を感じる必要はありません。進行という不安がなくなったのですから、前を向いて人生を楽しんでもらいたいなと思います。

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