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予防運動関連まとめ

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予防医学を運動の側面から実現するのが予防運動療法です。予防運動の考え方や啓蒙のための記事を集めました。
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【予防運動日記】機能は見えない

多くの障害は機能が障害されたものです。 ですから「機能障害」といいます。 構造が壊れればそれは「変形」といいますが、変形がなくても機能障害は起こります。 大方の整形外科医は、変形などの構造的変化を探します。 しかし、先に述べたように、構造に破綻がなくても機能障害は起こります。 構造は見えますが、機能は見えません。 水をいくら調べても波のことは分かりませんよね。 波は波として調べなければいけません。 機能は動きなど、ある行為を実際に起こしたときに現れる現象であり、構造のように

【臨床日記】足底板は必要なのか?

最近は小さな子どものシューズにも足底板が入っていて、それも医師監修とかいって、さも全ての人に必要ですみたいな傾向がありますが、それ本当にいりますか? 足底板がある事で足の踏ん張りがいいとか、膝の負担が減ったとか効果がある人もいます。 でもそういう人は足の機能が低下している人です。 足の機能は勝手には低下しません。 理由があって低下します。 その理由は多くは骨格を無視した姿勢や不良姿勢、そして偏った運動習慣や生活習慣です。 ということは足底板よりも大切なのは、姿勢と習慣を変

【予防運動日記】病気を治したいと、健康になりたいの違い

僕は理学療法士ですが、病院勤務の時は病気を治すという役割を持って仕事をしています。 病人が来るところが病院であって、病院は治療するところですから当然です。 今は、一般の方々を対象として健康になる、健康である方法を伝えています。 今の役割は健康になることや、病気にならないことです。 この二つの役割の違いは結構大きいと思っています。 病気を治したい 健康になりたい 病院にいって、健康になりたいので、健康法を教えてくださいと言っても「?」な顔をされるでしょう。 病名がつかな

【臨床日記】脚長差が原因なのにどこも見てくれない、、、

先日いらした方は足部外側の痛みでいらっしゃいました。 外側の痛みの原因は、足部の外返しによる衝突です。 明らかに踵骨も内側に倒れ(外反)、外果と踵骨の衝突によってインピンジメントのようになっていました。 今まで、数々の体操法を試してきたそうです。 インソールやテーピング的な靴下も使用されていました。 いろいろ試してもやはり痛みが取れないということで当店ということになったようです。 原因はとてもシンプルで、脚長差が9㎜ありました。 それを足部を潰すことで自ら補正していたので

【日記】スポーツの正しいは日常の正しいではない

先日、太極拳をされている方がパーソナルレッスンにいらっしゃいました。 太極拳では骨盤を後傾した姿勢が多かったので、それがいい姿勢だと思ってずっとその姿勢を意識していたら腰椎椎間板ヘルニアになったという方でした。 これヨガにもピラティスにも多いです。 「反り腰」だと言われた。 「立っている時には太もも引き上げて立つように」と言われた。 「お腹は常に閉めておくのがいいこと」と教わった。 本当に多種多様なことを皆さん運動指導者から言われています。 大切なことなので強調しておき

【脚長差の啓蒙】椅子がガタついていたらどうしますか?放っておきますかそれとも、、、

脚長差(脚の長さの左右差のこと)の話はとても混みあっていて、なんだか伝えるのがとても難しい問題でもあります。 医療保険下では30㎜以上が装具などの適応になります。 逆にそれくらいの差がなければ問題ないとされます。 30㎜ですよ、、、。 まず、こういう話を人の健康問題で考える前に、日常的なもので考えてみませんか? 例えば椅子やテーブルがガタついているとします。 ガタガタ、傾くことってありますよね。 椅子やテーブルは足が4本あります。 そのうちの1本でも長さが違えばガタ付き

【臨床日記】医療者は「健康」の専門家か、「病気」の専門家か?

医療者は体の専門家かでしょうか? 間違いなく病気の専門家ではありますが、健康の専門家かどうかは「はてな?」ですね。 正常という、検査値の範囲は知っていますし、異常な状態の見極めも得意です。 しかし、正常の範囲内なのに、不健康だと訴えられると答えられません。 例えば、病気ではないけど、気分がすぐれない人がいるとします。 検査値では異常が出ません。 そうすると、医者の多くは、「気のせい」でしょうと言います。 または、心の問題なので、心療内科や精神科を紹介するかもしれません。

【日記】成長期の子どもこそ、専門のトレーナーが必要だと思う

子どもの部活動はだいたい学校の先生が持ち回りで担当しているのが普通なんじゃないでしょうか。外部のコーチやトレーナーを委託でお願いしているところは稀だと思います。 でもです、成長期の子どもの偏った運動の弊害はとんでもなく甚大なのです。骨自体の柔軟性がありますから、変な話、いくらでも歪みます。 大人になってからの歪みなんてものは比較にならないくらいです。だいたい大人の方の歪みは既に子どもの時にできているのがほとんどです。 ですから、子どもの運動に関わる人は相当の覚悟と責任が