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【僕たちは母を介護する】-19「2回目の手術①」

《5日目》

2回目の手術当日の朝。
1回目の手術から4日。
かなり前のように感じながら、カーテンを開けると明るい光が。
今日も天気がいい。
(御袋の具合はどうだろうか)
御袋の生命力を信じているので、不安はあまりない。

11時30分。
病院に着く。
向かっている途中、次男は不安を口にしていたが、私はそれに否定はせず黙って聞いていた。
不安な気持ちはよくわかるし、楽観視はできない。
しかし、私は大丈夫だと信じた。

手術は13時30分。
2時間も前に着いたのは、今回も手術前に御袋と面会させてもらうためだった。
担当の医師も快く承諾してくれた。
駐車場で待っていると三男夫婦も到着したので、そろって集中治療室へ向かった。

御袋と面会すると、昨日より意識がはっきりしているように感じる。
酸素マスクをつけているためか、話すことはできないようだ。
でも、こちらの話に軽く頷いてくれた。
「少し長い手術になるけど、ここの先生はすごく優秀だよ。安心してがんばって」
そう伝えると、うんうんと頭を縦に振った。

面会が終わり、控室に戻ると12時10分を過ぎていた。
「少し休憩するか、お前たち先に休んでいいぞ。交代で休もう」
私は次男に確認しながら、三男に休むよう話しかけた。
「わかった」
三男はそう言って、奥さんと二人で部屋を出た。
次男と二人で控室に残った。
控室には他にも患者の家族がいる。
椅子に座り、周りをそれとなく見渡す。
看護師が一人入ってきて、控室に待っている人に声をかけた。
話の内容はわからないが、どうやら家族ではない感じだ。
雰囲気から察すると、仕事仲間のように思える。
ふと、私もいつか入院した時、傍にいるのは誰なんだろうかと思った。
(ま、それこそ考えても仕方ないことだな)
心の中で苦笑した。

しばらくして二人が戻り、私は次男と休憩に入ることに。
相変わらず、次男は食事をしない。
コーヒーとタバコで休憩を済ませた。
「夜は食べているのか」
少し心配になり聞くと
「昨夜は少し食べれたよ」
「そうか」
(今夜からは食べるようになるだろう)
そう心の中で伝えた。


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