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【大航海時代以前の社会情勢に関する考察】

現在の「資本主義」はいつから始まったのでしょう。僕は大航海時代が「資本主義」の大きな転機だったと考えています。では、なぜヨーロッパで世界に先駆けた「大航海時代」が始まったのでしょうか?なぜスペイン人やポルトガル人はヨーロッパの他の国に先がけて大西洋に出て行ったんでしょうか?

テーマは「資本主義の始まり」です。少し壮大なテーマですが、考えてみたいと思います。

「文明」の基本は、安定した食料供給を可能にすることです。日本で言うと、米作の導入で食料の蓄えが可能になり「定住社会」が発生しました。必要以上のものを「所有」できるようになったのです。貧富の格差も発生して、そこに身分制度が形成されていきます。こうした過程で少しずつ「封建社会」が出来上がっていったのです。日本や中国、東アジアは米作ですが、他の地域でも生産する主食は違いますが原理は似ていると思います。

「封建社会」は王侯貴族の世界です。ヨーロッパで言うと、そのピークは「絶対王政」の時代です。
「封建社会」は商業の発展により、豊かになった「商人」が増えることで少しずつ崩壊していきます。王侯貴族(既得権層)に支配される封建制度に抗議するようになります。ちょうどその時代に「活版印刷」が発達して識字率が向上します。「市民社会」が産声を上げ始めます。

ヨーロッパの「市民社会」形成にあたり、ルターが焚きつけた宗教改革は重要です。自分は「世界史」を転回させた動きだったと確信しています。
「商業の発達」「教会権威の失墜」「識字率の向上」、これが大航海時代前後の社会情勢です。
もうひとつ重要な要因があります。それは「イスラム勢力の台頭」です。

ヨーロッパで発達した商業の重要な舞台は「地中海」でした。1492年は重要な年です。スペインはレコンキスタ(国土回復運動)でイベリア半島を取り戻しましたが、ヨーロッパはオスマン帝国にイスタンブールを奪われて「地中海」を失いました。旧世界の商業の「舞台」は失われ、地中海貿易で繁栄したヴェネツィアは衰亡しました。

大航海時代に至るまでの社会情勢について考えてみました。「大航海時代に関する考察」に続きます。

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