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手と仕事

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100人を撮ることになってからからのことやぼくの思想そのものを文章化した。
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2023年4月の記事一覧

すぐれた芸術作品は、人の心を深く傷つける|手と仕事#13

『手と仕事』が始まってから8ヶ月が経った。 この8ヶ月の期間、たくさんの作り手さんに出会って、熱い想いも素敵な作品もこの作品にかけた時間も、本当に多くの方の手を撮ってきた。 そうやっていろんな想いを見てきたからこそ、時折見せるその人の手や顔が素敵で、思わずぼくは息を呑む。 一つの金属棒から指輪を作り出したり、地元産の製材から木工作品を作り出しり、普段はきっとここに人はいないはずの場所にぼくは立ってシャッターを切る。 切るたびに変わっていくその作品たちを見てぼくはね『し

人に会うことが未来の自分の仕事を作るのだとしたら|手と仕事#12

フリーランスとしてどんなことが一番大事なのだろうか? これから独立する誰かも3年前開業届を出した僕も、きっと誰もがぶち当たる壁ってやつがあるんだと思う。 ぼくは何の実績もつながりも持たないまま無謀な開業をして何とかして今も生きながらえている名前だけのフリーカメラマン。 カメラの仕事ももちろんやっていいるし、少なからず長野に移住して3年の間に築き上げた人間関係というものが今のぼくの生活を支えてくれている。 その行動力と今の活動における原動力って一体何? 二つほど前の記事でも

演劇の向こう側 表現者との距離感 |手と仕事#11

季節は春。 モゾモゾと世間は動き始めて新生活や新学期、新しい職場など環境が変わっていく人がまちを賑やかにしていくのだろうって そんなぼくもこの春には市内ではありながらも拠点を移し、その町の小さな劇場ではなんとも愉快な劇団員さんたちが自分たちのできることを精一杯に表現していた。 この小さい劇場の距離感では、演者さんの息遣いも涙がこぼれる一瞬さえも何もかもが見える。 ふっと大きく息を吸い込んだ途端にその綺麗な目からはとめどなく涙が溢れて、初めて見るそれにぼくは思わずシャッター