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終わりのない千本ノック

現在ブログで育児絵日記を描いたり、メディアサイトで漫画を描かせていただいている私なのだけども、こんな絵でも実は過去に美術系の短大に行っておりまして。

専攻は洋画。油彩をしておりました。
今の絵からは想像つかないでしょ。

中学の時に友達の影響で透明水彩にハマって、短大進学のために高校の時に地元の絵画教室に通ってデッサンをしてました。
こんな風に描くと「めっちゃアート女子や〜ん!かっこよ〜!」みたいな感じだけど、全然そんなんじゃないよ。めちゃくちゃ下手だったし。
短大入った時に周りにめっちゃ上手い子おって、椅子からひっくり返りそうになったし。

中学の美術部の顧問、高校の美術部の顧問、地元絵画教室の先生、短大の洋画コースの教授、多くの方々の元で描かせてもらったんだけど…

だーーーれも「描き方」は教えてくれないのよね。

目の前にりんごやら樽やら瓶やら、いろんなモチーフが出されて
「鉛筆と消しゴムと〜…あ、これは練り消しね。はい、じゃあよーい、スタート。」以上(笑)

いや、うん。わかる。わかるよ?
描くよ?目の前にあるし。描くけどさぁ…なんかこう…テクニック?というか…。
どうしたらあのりんごにツヤを出せるかだとか、樽の質感をこういう風に描くと本物ぽいよ〜とか、半透明な瓶はこう描くといいよ〜とか、そういうのは全くないのよね。

すっげー甘い考えだけど、こっちは描き方が知りたいのよ。
どうすれば目の前のモチーフをそれっぽく描けるのか。
先生は「使い方」は教えてくれても、「描き方」は教えてくれなかった。

たまに「ここがなぁ〜何かなぁ〜。ちょっとなぁ〜光が欲しいよねぇ〜」と言ってきて「光?光ってなに?どうすれば光が描けるん??描き方…描き方を教えてくれよォ…!!!」って、ど素人の脳を掻き回してパニックにさせる。
そして自分のとんでもない作品と、隣で描いてた美術系高校出身の子の作品を見比べてゲロ吐きそうになる。

「短大入ったらいろんなことに挑戦したい!いろんなものを描いてみたい!」って、アホみたいにスーパーポジティブ女子な私だったけど、最初はものすっごくしんどかった。実技の授業がめっちゃ辛かった。

でも目の前のモチーフと向き合うしかなかったので、グズグズ言いながらもひたすら描いて、周りの子の描いてるとこめっちゃ覗き見して、先生の目の動きとか、手の動き、息の仕方とか色々見てたら、素人ながらにわかることも増えてきて…。

今まで線で捉えることに慣れてたなーとか、
被写体の全体を感覚で捉えたり、光の入り方やモノの面を捉えたりとか、空間全体と掴まないといけないとか、

なんとなくだけど、だんだんとわかるようになってきて…

「これは先生に口で教えてもらってたらわからなかった感覚だっただろうなぁ」って思いました。

卒業制作が完成したときは、長い道のりをやっと走り終えた達成感と安心感でどっと疲れたのを覚えています。


そして今の私は油彩は全くやってなくて、6年前くらいからイラストや漫画をちょこちょこと描くようになりました。

描くことは全く苦しくないです。
寝るときとトイレのとき以外はずっと描きたいな〜って思ってるくらい(家事と育児があるのでそういうわけにもいかんけど)

なんで苦しくないんだろう?って思ったんだけど、多分イラストは物心ついた時からずっと描いてるものだから、幼少期から自然と千本ノックをしていたんだろうなぁ。
中学高校…だいぶ大きくなってから始めたデッサンや油彩と比べると、イラストはやってきた年数が違う。
それだけ分の持久力や肺活量ができてる(慣れてる)から、私は今描いている絵がしんどくないんだろうなぁ。(作業ペースが遅い自分にイライラすることは多いけどw)


ただ…漫画はこれまでほとんど描いたことがないんですよ。
だから漫画を描くことの難しさや苦しさは感じています。
これまたブログに描く漫画なのか、メディアに掲載してもらう漫画なのか、4コマなのか10コマなのかで頭の使い方や構成の作り方が全く違うので…これもひたすら千本ノックをこなしていくしかないなぁと思っています。

多分子の千本ノックをずっとずっと続けていたら、またいろんな気付きがあるのかもしれないなぁとワクワクしながら、日々頑張ろうと思っています。
デッサンや油彩の千本ノックも、決して挫折したわけではないので、いつかはまたやりたいなぁ。

まあ…野球の千本ノックと違うのは…運動不足で非常に不健康であるということかな…。
長く息をするためにも、少しは運動せねばいかんなぁと思う私なのでした。

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