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本のご紹介

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これまでに読んだ本を、個人的な感想を交えて紹介しています。 あなたの気になる作品が見つかりますように。。。
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2024年6月の記事一覧

『1ミリの後悔もない、はずがない』 一木けい 著

簡単なあらすじ何不自由なく、幸福に暮らしている由井。 しかし、ふとした瞬間にフラッシュバックしたのは、あのころの恋。 できたての喉仏が美しい桐原と過ごした時間は、由井にとって生きる実感そのものだった。 逃げ出せない家庭、理不尽な学校、非力な子どもの自分。 誰にも言えない絶望を乗り越えられたのは、あの日々があったから。 桐原、今、あなたはどうしてる? 感想とおススメポイント本作は、由井の人生をたどる連作短編の形式で構成されています。 学生時代、母子家庭という環境の中、

『幻夏』 太田愛 著

簡単なあらすじ毎日が黄金に輝いていた12歳の夏に出会った、尚と拓という転校生の兄弟。 8月最後の夜、尚は川辺の流木に奇妙な印を残して、忽然と姿を消した。 23年後、刑事となった相馬は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。 「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」 相馬の胸に蘇る親友の言葉。 あの夏、本当は何が起こっていたのか? 今、何が起ころうとしているのか? 人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか? 感想とおススメポイント本作の主人公である相馬は、刑事事件を捜査

『すいかの匂い』 江國香織 著

簡単なあらすじあの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。 つい、今しがたのことみたいにー バニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。 無防備に出会ってしまい、心に織り込まれてしまった事ども。 おかげで困惑と痛みと自分の邪気を知り、私ひとりで、これは秘密、と思い決めた。 11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。 感想とおススメポイント本作品は11の短編集ですが、それぞれ、11人の女性が幼いころに体験し