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『スポーツを愉しむ』第3話〜未来のBRAVE BLOSSOMSを見つけた〜(佐賀工/井上達木選手)

佐賀工の歴史を変えるかもしれない選手が
現れた。創部初めて花園優勝が見えた。
その中軸を担うのが井上達木選手だ。
私も長らくラグビーを観てきたが、
こんなにキックが巧い選手を観たことがない。
変幻自在のキックは世代を超えて日本最高峰と評価したい。

出身校も重なり、各媒体で
『五郎丸2世』と呼ばれている世代屈指のスクラムハーフである。

うーん。個人的にはしっくりこない。
利き足とポジションが全然違う…。

デクラーク2世かレイドロー2世
はどうだろうか。
2023年、7人制では、
同校初の優勝を遂げたが、
その立役者でもある。

私の見立てでは、井上選手も間違いなく、
覚えておくと必ず自慢できる選手になる。

下記、日刊スポーツ様より。

https://www.nikkansports.com/sports/news/202312250000817.html

今日の準々決勝はまだこれからキックオフだが、
私は佐賀工が差をつけて勝つと予想する。
その原動力は彼だと考える。
この回では、彼がスクラムハーフの中で突出している理由を綴りたい。

昨日、エディー・ジョーンズ氏は
NHKでインタビューを受けた際、語った。

『日本代表のキーパーソンはスクラムハーフである』

『齋藤直人がキーマンだ』

エディー氏がスクラムハーフというポジションを大切にしており、且つ
サイズが大きくない選手でも、
魂やスキルフルに溢れる選手に重きを置いているのがありありと窺えた。

流大が代表引退表明をした今、
果たして、齋藤直人に次ぐスクラムハーフは誰となるのか。

齋藤直人がフランスワールドカップ🇫🇷に出場するのは必然だった。
桐蔭学園でも、早稲田大でも優勝の
核は齋藤直人だった。
ディフェンスこそデクラーク程の
パワフルさはないが、全ての能力が高いハーフだ。私も高校時代からずっと好きな選手である。

さて、ラグビーにおいて、
スクラムハーフは最激戦区のポジションである。

なぜならば、このスポーツにおいて、ほぼ
唯一フィジカルがマストとされないポジションだからだ。

よって誰にでもチャンスがある分、
レギュラーを取るのは至難の業となる。
端的に言うとラグビーが一番上手くないといけないのだ。

サイズという意味では、
ファフ・デクラーク(南アフリカ代表)
クレイグ・レイドロー(元スコットランド代表)が例として分かり易い。
大きくないが、天才プレーヤー達だ。
彼らをイメージしてもらえると分かり易いが、
一番ラグビーIQが高く、最もハンドリング、キック、パス、テクニックが必要な役割というイメージで捉えて頂きたい。
(大雑把に言うとそんな感じ)

記載した様にサイズが無くても良いポジションである為、日本人選手が世界で闘う事が可能なポジションでもある。
実績として、田中史朗選手(伏見工⇨京産大)がスーパーラグビーのハイランダーズでプレーした事が挙がる。

井上選手はスクラムハーフとして必要な能力を
多く持っているが、下記が突出していると感じた。

■パススピード
■ディフェンス力
■コンバージョンキックの正確性
■インプレーキックの正確性
■キック自体の飛距離

特に優れているのはキックとディフェンス力。
これもデクラーク選手を彷彿とさせるものがある。
私も長年ラグビーを観てきたが、
スクラムハーフで守備が上手い!と思える
選手は少ない。前述の体格の問題もあり、多くのチームでは、SH本来の役割としても期待されていないことが多い。
ただ、ハーフが守れるか否かは、
極端な話、ディフェンスが15人なのか。14人なのかというぐらい私は個人的に戦力として影響を与えてしまうと感じている。
相手チームもミスマッチ、ギャップを突いてするわけで、小柄で守れないハーフが居たらそこを起点として、目掛けてランをする事も可能としてしまう。
ハーフが守れるかかは大事だ。

そして、ラグビーを見始めたばかりのかたには
ハーフが守れるって普通じゃねぇぞこりゃ!!
って視点で、ぜひともリスペクトして観て頂きたい。
強いて言えば、若い頃の田中史朗選手は
守備が比較的上手かった。いやらしかった。

ヌルヌルっと危険地帯に先回りして、絡みついて、そのまま自分でターンオーバーする事もあれば、
絡んで粘り、適切に時間稼ぎをして、
フォワードの戻りを待つディレイも出来る(サッカーでも大事な能力)

よく考えたらセブンズチャンピオンチームの、
メンバーである井上選手のディフェンスが
非凡なわけないわなと思う。
セブンズは人数が文字通り7人の競技であり、
メンバーは皆、多能工化を求められる。

因みに上記記載の通り、
デクラーク選手は守るのが巧い。
2019年の日本対南アフリカ戦の
準々決勝破竹の勢いで、勝ち進む日本。
その日本の象徴だった福岡堅樹選手を止めたのは、
デクラーク選手だった。
唯一トライできそうなシーンも、
なんとデクラーク選手独りで福岡選手を
止め切ってしまった。
そのシーンは当時、「そのプレー」そのもの以上に日本へのインパクトとダメージを与えたように映った。

又、レフティーというところもデクラーク選手と被る。

そして、井上選手が
最も優れているのはキック力だ。
飛距離に関しては大会屈指(ちなみにハーフ団を共に形成するSOの服部選手のキック力も凄まじい)狙って50:22を決めてしまう技術の高さを観ると、リーグONEを観ているのか?と私は錯覚した。
大学生でも、狙ってあの類のキックを成功させているシーンは決して多くは御目にかかれない。

私が敬愛する野澤武史さんも天才と形容する
佐賀工のホープはチームを頂きへと導く。

この後のベスト8。
佐賀工が勝つことを前提として、
明日はもう一人、抑えておきたい
選手を紹介する。

ではまた明日。

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