うまき

うまきです。日々の思いや思い出す事などを備忘録として残していきます。

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最近の記事

雲が流れる 雨は小降りに

屋根を打ちつける雨の音がする。 朝だろうか。 薄目を開けると、部屋の様子がわかるほどに明るくなっていた。 少し起き上がり、すぐ横のカーテンを開けると、 空が、ぼったりとした灰色に覆われていた。 窓には、大粒の水滴が、休むことなくその隙間を埋めていて、 水中にでも入ってしまったかのような、それぐらいの雨だった。 このところ昼間は蒸し暑いのに朝方になると冷えるようになった。 ベッドの中の温もりから離れられない。 カーテンはそのままに、再び目を瞑り、 燻んだ明るさを感じていた。

    • うつわ その2

      飯碗です。 その頃よく行っていたスーパーの近くの店で買いました。 値段は忘れてしまいました。 おそらく20年くらい前に買ったものだと思います。 その店には、家族の誕生日プレゼントを買おうと思い訪れたのです。 で、目に入ったのがこの飯碗で。 魚の絵付けが好きでどうしても欲しくなってしまったのだと思います。 微かな記憶ですが。 九谷です。 磁器で、触り心地が繊細です。 青の混じったような白さに赤い魚がよく映えます。 赤が九谷っぽいですね。 とても小ぶりで、これも手に良く馴染みま

      • うつわ その1

        一番最近買った器です 300円だったと思います 手に取って 値段を見たら 安かったので 安いの、大事なんです 安ければいいってものでもないんだけど 自分の中で その時にもよるのですが この値段なら出せる と思えないと 買えないのです 日本酒でもビールでも 飲むときには氷を入れます この器を見たときに 氷を入れて日本酒を飲みたいなと思いました 大きさ的に 恐らく湯呑みかと思うのですが 氷の入った日本酒しか思い浮かばなかった 飲み口が少し反っているところも 気に入っています

        • 三角は小道

          長い間の海風で 伸びた枝が 覆い被さり 変形した隧道が 向こうに続く 小さな三角形の出口 風が吹いていた 木々の葉の擦れる音 斑に差し込む陽の光 撓う枝が波打つ トンネルがまた、形を変えた 足をそっと踏み入れて 進むほどに 呑みこまれていく 纏わりついた意味も問いも 身体から離れて ただ ただ そこを歩くものになる

        雲が流れる 雨は小降りに

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          モノクロームZ

          モノクロームZ

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          街角スナップ

          街角スナップ

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          夜の彷徨2

          夜の彷徨2

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          春を謳い春を愁う そして風

          #404美術館

          春を謳い春を愁う そして風

          落ちゆく陽はすべてを赦す

          柵に立てかけられた自転車 砂に埋もれた前輪 スマホを空に掲げ、顔を寄せ合う少女 奇妙な形の影 砂遊びに興じる稚児 母親と思しき人の不安定な眼差し 座る防波堤 背中を行き来する互いの温もり 一時の永遠 幼さが透けて見える思わせぶりな眼差し 持て余す本能という名の生 惜しげもない 制服の間で交差する拙い駆け引き ひとは何を思う 茜色の彼方を 見つめ その横顔は 美しい 過ちをさえ 落ちゆく陽はすべてを赦す

          落ちゆく陽はすべてを赦す

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          モノクローム

          モノクローム

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          降りそそぐ

          木々の隙間 漏れくる陽の煌き 目を細め 一瞬の午睡 胸底に蠢く 幼き心 癒えぬ痛み 反復する記憶 顔を撫でる温もり 微かな眩さ 目を開け 仰ぎ見る 降りそそぐ 欠片の数々

          降りそそぐ

          夜の彷徨

          何もかもがちぐはぐで ボタンはすべて掛け違っている 雨が降っていて ずぶ濡れなのに 乾ききっている 凍えているのに 熱を帯びている 夜の町の流し目 ネオンの嘲笑 瓦解してゆく存在 飲み込まれることへの欲望 永遠の彷徨

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          冬の日のスナップ

          冬の日のスナップ

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          冬の日

          間断なく降る雪 人気のない海 立ち昇る水蒸気 寄せくる波 広がる砂浜 感情のない白さ 次第に鈍くなる思考 その風景の その世界の 一部でしかないことの 心地よさ

          冬の日差し

          カーテン越し 枯れてしまった花 読みかけの本 カップのしみ 埃のたまった棚 積まれた書類 外で遊ぶ子供たちの声 しんと静まり返る部屋 何とはなしに 佇む私に 冬の日差し

          冬の日差し

          煙草

          今は吸っていないが 吸っていた時期がある。 10年くらいだろうか。 思うと懐かしい。 何をしても締めは煙草だった。 吸わなくなったのは、煙草がもう、特別じゃなくなったからだ。 好きだったけど、特別じゃなくなった。 ちょうどその頃、花粉症がひどく、煙草が症状を悪化させていたのもあったのだが、それは些細な要因で。 薄らいでゆく気持ちは、冷めてゆく恋心に似ていた。 ふっ…とやめた。 そしてもう、何年経ったろう。 あの芳しい匂いに痺れた日々は遥か遠い。 嫌煙とまではいかないまでも、自