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2020.5.26 こんじょう。

「ビー・バップ・ハイスクール」の演技指導で知られる殺陣師で映画監督の髙瀬將嗣氏が亡くなられた。ちょうど0時のことだったそうだ。

8年ほど前に、靖国神社で行われる奉納演舞の司会をしたことがあり、そのときに高瀬道場の殺陣を見る機会があった。

他の演舞は真剣を使う中で、舞台や映画で見るような殺陣というこどだったけれど、演者の皆さんの迫力は凄まじく、圧倒された。

映画「カスリコ」は昨年の夏に渋谷へ観に行った。高知を舞台に、手本引きにはまる男を描いた映画。アクションシーンは一切無く、ただただ人情を描いた渋い映画なのだけど、心を打たれてしまった。

私には博打にはまった経験は無いけれど、文字通りの博打に限らず、博打的なもの、博打的な生き方の中毒に苦しんでいる人は周りにいる。

この映画は、そういう人、何かに失敗して家族も巻き込んでしまったような、悲しい人を、包み込んでしまった。

単に弱い人、かわいそうな人としては描いていなかった。

とてもいい映画だった。アクションは無しだけど、ベテランの俳優による凄みのある演技はそれ以上の迫力があって、どしっと肝の座った、只者でない人でないと撮れない映画なのだとわかった。

これからの時代、ああいう映画を撮れる人っているだろうかー、なんて思った。

監督の葬儀には献花台が備えられていて、赤と白のお花は見ると、旭日旗であった。氏の出身の国士舘大学応援団の団旗がこの形である。

昭和の国士舘といえば、説明も要らないかと思うけれども。
viceの記事より。国士舘大学応援団にみる昭和<根性論>↓
https://www.vice.com/jp/article/59vybk/showa-like-die-hard-spirit-of-kokushikan-university-cheerleading-squad

当時の国士舘は死者も出ていたという。その時代を乗り越えた人たちが今も同志の強い絆で結ばれていることは不思議ではない。戦友に近いものもあるのだと思う。

私自身は心底まっぴらだけど、父がここの卒業生であることもあってどこかそういう根性論は身に染み付いてしまっているところもある気はする。

というか、意識せずに放っておけば、染み付いた根性論とプライドが心の奥底から湧き出てくる。

昨日聞いた昔に大橋巨泉さんと喋ってた太田さんのラジオで話してたことにも通ずるのだけど、、

私は今、自称保守の人々アレルギーがあるけど、愛国者と言われる人が全ておかしな人だとは思わない。中には本当に素晴らしい生き方、凄い努力をされていて地道な方もいる、とても真似できないような人格者も。

そういう人たちは、いつも行動が伴っている。先祖から受け継いだ国のために何ができるかと、自分に与えられたものを生かして行動されている。いざとなれば命も惜しくない、本当にそうなんだろうなという人がいる。

ただ、愛国なんて言葉を使わずにそれをやっている人もゴマンといる。先日亡くなられた、お笑い芸人の方もそうだろうし、身近なあの人もこの人も、誰かのために世のために当たり前のように自分のやるべきことを残している。

役に立たない人間なんていない、という考えと共に、根性論に対しての憧れ?も持っている。

高瀬監督の素晴らしい生き方と創られたものは人の心に残っていくし、そこにあった昭和の男のたましいのようなものに、私は惹かれている部分もあるんだなと、今日はそういうことを思った。

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