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波紋。

生きることには、物事がうまくいったり、楽しいことやいいことばかりじゃなく、壁に突き当たったり失敗したりすることだって当然ある。そんな山や谷を繰り返しながら毎日を過ごすことは、実は生きている日々が平穏であることの証しにもなる。何事もなくただ時間だけが過ぎていく人生だと、自分が何のために生きているのか、何を生み出しているのかわからなくなり、不毛な考えばかりが頭に浮かんでくる。それは足元の水たまりと同じで、何事も起こらなければただの濁った水であり、そこに意味を求めようとしても存在する価値さえ思い浮かばない。

水たまりを意味あるものとするために、中心に向かって小石を投げ入れてみると、そこから外側に向かって穏やかに波紋が広がっていく。上下に緩やかに揺れながら水面を移動していくその波は、自分が歩んでいる人生の起伏そのものだと感じる。そしてそこに水たまりがある限り、石を投げ入れ続けて自分の存在を確かめる。


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