わたしの好きな日本文化
日本文化。
そんな風に言われると教科書的に聴こえて、自分とは全く接点がないように感じてしまう。
そんなわたしがまさか、かくもわかりやすい世界に魅了されてしまうとは夢にも思わなかった。
着物が好きなんて
思い起こせば半年前。
自分がしているお仕事の関係からツイッターを見るようになった。
それまではツイッターをほぼ使っておらず、もちろん見ることもなかった。
今回も何の気なしに見ていたら、ふと着物関係の画像が載ったツイートが流れてきた。
え?なにこれ?
ずっと今まで探していたものを探し当てたような、不思議な感覚になって、着物関係のツイートを時を忘れて眺めてしまった。
そこには自然体で、自分の感性で着物を楽しむきものビト(勝手に命名(^_^;))たちの姿があった。
着物は教えられた通りにきっちり着る
と思い込んでいた私にとって、
きものビトたちの自由な姿は衝撃的だった。
というのも、今から10年以上の前のこと。第一子を妊娠していた時のこと。仕事もひと段落し、妊娠期間中何かできることないかな、と思っていた時に気になっていた着付けを習うことにした。
着物を祖母が日常的に着こなしていたので、自分もいつかきて見たいな〜と軽く考えて、まずは着付けから、ということで一般的な着付け教室で習うことにした。
そこでは非常にしっかりとした教え方が展開されていて、手順を覚えるだけでも一苦労だった。
もちろん補正もしっかりして、シワひとつ許されないような、「きっちり感」を重視した教え方だった。
多分今から思うと、冠婚葬祭など礼式にも備えられるような着付けを教えてくれていたんだと思えるが、当時の私には非常に窮屈に思えて、とても続ける気になれなかった。
ちょうど妊娠期間中ということもあり、もっとゆったりと日常的に着られる着方を知りたかったのかもしれない。
しかし、当時(2006〜7年くらい?)はまだ着物を楽しむ雰囲気より、着物は礼装用という空気感があったように思える。
というわけで、私の着物観はすっかり「難しいもの」となってしまったのだった。
その状態で止まったままの私が見た、
このツイッターのきものビトたちの自由さよ!
着物は自由に着ていいんだ!
楽しんでいいんだ!
自分を表現していいんだ!
と全身で教えてくれているように思えて、
なんとも言えない感動とうれしさと楽しさと、
何よりも自由を教えてくれていた。
そこからリサイクル着物のお店にお邪魔したり、
着物マーケットにお邪魔したりして
着物の世界を少しづつ少しづつ見るようになった。
そして自分でも着物を着たくなり、
リサイクルショップで集めたものや
祖母が遺してくれた着物類に袖を通すようになった。
まだ着物について何にもわからないうちに着物を着て外を出歩くようになり、そのまま着物のリサイクルショップで着付けを教えてもらったり、マーケットで着物について教えてもらったりするようになった。
わからないからこそ、外を出歩けたし、わからないこそ人にどんどん聞けたのかもしれない^^;
着物関係のイベントに行くと、お店の方は本当にいろいろと教えてくださった。
みなさん心から着物を愛している様子で、「好き」という気持ちから着物関係のお仕事を始めているだろうことが見受けられた。
私が10年以上前にこの人たちに出会えていたら・・・。という想いがなくもないが、今この時に出会えたことに何か意味があるんだろうな。。
着物は今の私が知っていることの10倍も100倍も1000倍も、いやもっともっと深い世界なのだろう。
でも私は少しでもこの世界に接することができただけで本当に幸せだ。
もっと言うと、着物を見ているだけで幸せということに気づいた。
自分の壁を取り払う
さて、私は今オランダという国に移り住んだばかりだ。
この国の人たちは人の目を気にしていないように見える。
他人が何をしていようと、危害を加えられない限りは気にしない。
夜中にパーティーがあっても、うるさい!と怒鳴る人もいないし、警察に通報する人もいないようだ。
とにかく自分自身が自分のことを楽しんでいるように見える(まだ移住わずかなのでよくわかっていないかもしれないけど)。
そういう世界に飛び込んでわかったことは
人の目を気にしなくていい、っていう超当たり前のこと。
人は思った以上に自分を見ていないし、自分も人を見ていない。っていうなんども聞いたことがある当たり前のことを実感して、初めてわかった。
そんなことにやっと気づけた。
着物の話に戻ると、着物は私にとって非常にパワフルに魅力的だ。
多分きものビトにとっても非常に魅力的だと思うし、
まだ着物を着ていない人にとっても潜在的な魅力があると思う。
でも人の目が気になって着られない、という人も多いと思う。
それがちょっと残念に思う。
なぜかというと、着物は見ていても十分幸せだ。
しかし、着てみると本当に違う世界に入れる。
昔から衣食住、というように、着るものは人に大きな影響を与える。
着物は着てみると、なぜかとにかく落ち着く。
いや、落ち着く、という言葉では言い表せないような懐かしいような安心するような不思議な感覚に入れる。
なので、もし着物が好き。着てみたいけど人の目が気になって。。。という人がいたら、その人が着物を着る日が来ればいいなと心から思う。
着物は着る人がいて初めて着物になるから
リサイクルショップに行き、店主さんとお話をするとわかるが、着物にもストーリーがある。
どういう経緯でそのお店にたどり着いたか。そんなお話を伺うと、着物とのご縁を感じてしまう。
当たり前だが、着物は着物として生まれたからには着てもらいたいと思っている(とわたしは本気で思う)。
なので、ご縁が繋がってこの手にたどり着いた着物はきっとその持ち主に着てもらって初めて着物になるのだと思う。
そんな息遣いまでが聞こえるのが着物の良さだと思う。
今までそんなこと考えたこともなかったから。
ちゃんとしてなくてもいい、シワが寄っててもいい。できたら綺麗に着たいけど、それはいつかできたらでいいと思う。
ただ私が自由に楽しく、この着物を感じたい。
そういう気持ちがあれば着物に袖を通してみよう。
そっと、絹づれの音を楽しみながら。
最後に私が尊敬している着物ショップのスタッフさんの言葉を。
自分の壁を取り払うだけなの。自分の目が一番怖いから。
着物を着るときのアドバイスを伺ったときだと思う。
その人はさらっとこの言葉を送ってくれた。
いろいろな場面でこの言葉を思い出して勇気をもらえる。
どなたかの何かの足しになったらこれ以上うれしいことはない。
そして今は自信を持って言う。
私は着物が好き。
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