見出し画像

存在意義

私は、とある病院で理学療法士として(リハビリ)働いています。

ある高齢の患者さんを担当しているのですが、
その方の口癖が

『はやくお迎えこんかねぇ』

なんです。



その患者さんには娘さんがいて
とても熱心に会いに来られています。


でも今、世間を騒がせているウイルスの関係で面会謝絶になっているです。


でも、その娘さんは少しでもその本人の役に立とうと、認知が進まないように。と、
新聞を定期的に持ってきて、看護師さんに手渡して帰っていきます。


昨日その娘さんにリハビリの状況を話す機会があれり、娘さんの想いを聞きました。


『私は出来るだけ長生きして欲しいんです』

そう言われていました。



昨日ちょうど本人とリハビリをした時、

『はやくお迎えこんかねぇ』
といつものように。


そしてこうも言っていたのです。
『生きていても役にたたないしねぇ』

何もできなくなった自分は、
世間の役に立ってない。

そんなことを思っているんだ、、

と、私はそんなことを感じました。


確かに、
年齢がいって
社会から離れて
働くことがなくなって
ひととのつながりが薄くなっていくと

自分の役割というものがなくなったような気がして

そんな風に思ってしまうんだろうな、、
と思った矢先の


娘さんとの会話。

社会から離れたから
”役にたたない”
存在ではなく


直接、誰かの何かをしているわけではないかも知れませんが

きっと娘さんにとっては

『生きているだけ』

で役に立ってるんです。


きっと生きているだけで
安心するし
ほっとするし
自分も前を向いて進みたい

そう想うんです。


だからきっと
どんなひとでも

生まれてきたということは

両親がいて
その前におじいちゃんおばあちゃんがいて
ご先祖様がいて

そうやって受け継いで
生まれてきただけでも

”役に立つ”存在で。

きっとそれはどんなひとでも一緒。


繋げてもらった命を
直接は感じないかも知れませんが

どこかで誰かが喜んでいる


誰かの役にたっている

そんな存在なのかもしれません。
そしたら、少しでも
前を向いて歩きたい。進みたい。
そう想えるのかもしれませんね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?