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後悔と自分のキャパシティ

そもそもあんまりニュースを見ないし、ニュース見聞きしたとしてもあまり引きずるタイプではないけど、つくば市で起きた、暑い中、車中に取り残されて死んでしまった2歳のお嬢さんのニュースが気になって仕方ない。とても人ごととは思えない。Yahooのコメント隅々まで見てしまう。

厳しいコメントもあるが、私も含め、そんなコメントを書いている方々も、自分の子育てを思い出して、なくなったお嬢さんやご家族の辛さにやりきれなくて言葉がキツくなったりしているのかもしれないと思いたい。

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息子が小さい時は、車を持っていなかったので、自宅から保育園まで自転車で子供を連れて行いき、その足で駅の近くの駐輪場に自転車をおいて、電車にに乗って仕事に出ていた。さすがに子供を忘れてしまうことはなかったが、自転車を忘れてしまうことはよくやった。自転車に乗って行ったことを忘れて、帰りはバスに飛び乗ってしまうのだ。

彼が3歳ぐらいの時、どうしてもラッシュアワーの電車で移動しなくてはいけない時があった。私自身は混んでいる駅のプラットフォームで、手をつなぎ、人混みを避けけて歩くのが精一杯。手はつないでいるが、目は子供は見ていなかった。足早に歩く私に身長1m足らずの小さい子供も一生懸命ついていこうとしたのだろう、目の前の柱にしたたか顔をぶつけてしまったこともあった。今もその時の傷がうっすら残っているので、それを見るたびに心が痛む。

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子育ても上手くできたとは思えないが、それより悪かったのは仕事だ。その時の私はミスばっかりしでかす仕事仲間に迷惑をかけまくる、扱いにくい人だったと思う。
東日本大震災が起きた際は、お迎えいかなきゃと焦るが、家に帰ること自体がとても大変だった(夫が何とか迎えにいった)。それがトリガーになって、そのうち電車に乗って職場に行くことをやめた。仕事をフリーランスに切り替え、それだけでは経済的に成り立たなかったので、徒歩で行ける所でパートもするというスタイルに落ち着いた。子育てに向いたワークスタイルになってもなお、仕事面では役立たずだったと思う。フリーランスで全然、受注できなかった。仕事も子育ても中途半端だなあって自分を責める日々だった。

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大きな仕事をこなしながら複数の小さいお子さんを育てているご両親、本当に偉いし凄い。でも私にはできなかった。たまに息子に兄弟欲しかったなあって言われることもあって、ゴメンと思うけどそれも無理だった。もしチビが2人以上いたら、粗忽物の私のことだ、うっかりでは済まされないことをしたかもしれない。それが私の力量だ。

息子はもう中二病真っただ中のティーンエイジャーなった。ずっと目や手を離さないという段階は過ぎている。なんとか無事にここまでくることができた。それは仕事をはじめとした諸々の生活に関わる事柄を、自分のキャパシティ内外で収めることができたからかもしれない。それを許容する環境も良かったし、運もよかったからだと思う。

子供が小さい時の子育ての時期を思い出すと、今も心がヒリヒリする。ワーキングマザーだっ70代後半の私の母も、今でもたまに自分の子育てを後悔したりするのでずーっと後悔は続くんだなあって思う。

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一口に子育と仕事といっても、上手に大らかに両立している方もいるし、私以上にバタバタと慌ただしく焦っていらっしゃる方もいて一括りにはできない。
ではあるが、街で小さい子を連れているお父さんとお母さん、あるいはお爺ちゃんお婆ちゃんを見かけると、おこがましいが、のきなみその姿に10年ぐらい前の自分を重ねて、危なっかしく感じてしまう。なので、視界に入っている間はずっと目でおってしまい、いざというときには、微力ながらお助けする用意をしている。それが今、精一杯の私ができることである。

悲しくてやりきれないニュースに触れて、そんなことを思った。

亡くなられたお嬢さんのご冥福をお祈りします。また、ご家族であるお母さんやお姉ちゃん、しでかしてしまったお父さんも、いつかは心の平安を取り戻せることを願います。


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