クリニカルイナーシャによる副作用出現リスク等を鑑み転院先への情報提供としてトレーシングレポートを活用した症例3

この患者さんとのかかわりは約5年前から。
かかわった当初から腎機能低下を認めすでにeGFR45未満、尿蛋白の有無は不明。検尿はしてなかったから・・・・ 
採血も不定期で、年に2~3回あるかないか・・・
採血の度ににeGFR低下。そんな患者さんにNSAIDs処方をやめない医師(おとなりさんです)
となりではない医師が処方もとなら、トレーシングレポートで腎機能鑑み(過去の採血データ添付して)アセトアミノフェンへの変更を検討すべきであると報告するが・・・
それができない状況。伝えたところで、逆切れして患者さんにつらくあたり良い方向に進まないからだ。過去に経験済み・・・
結果患者さんが何も薬局で本当のことを言ってくれなくなる。悪循環だ・・・
あとは、OTCのアセトアミノフェンを購入してもらう方法もあるのだが・・・
ご本人がご高齢で、認知機能の低下もあり説明が難しいと感じ・・・
毎回薬袋に、「腎血流悪化し腎機能悪化の可能性があるのでできるだけひかえてほしい」と記載。
そんな中、救世主が!娘さんの登場!
ホントにこの出会いから動き出した~
しかも、この娘さんはとある看護学校で教鞭をとってらっしゃるベテラン看護師さんだったのです。
私が、ずっと毎回、色々薬袋に記載している内容を見てくださっていて、NSAIDsをやめさせるべき状態なんだと理解して下さった?って勝手に良いふうに考えているのだけど・・・
もともとNSAIDs服用されていたのは、腰痛だったので、ご本人にも整形受診してほしいとお伝えはしていたものの、実現する事はなく時間だけ過ぎてしまって・・・ ホントに困っていた。
そんな時に~
娘さんがお父様を整形受診させた後に一緒に来局して下さったのだ。
腎機能低下している旨を整形ドクターに、娘さんが伝えて下さった事で、NSAIDsではなくアセトアミノフェンに変更!
しかも、リハビリもする事になり~ 
やっと!ホントにやっと!
まあ、となりには整形受診されて痛み止めをもらっているのでNSAIDs要らないって伝えるのは問題ないので~ 無事NSAIDsカット!
その後、腎機能は低下しつつもなんとかeGFR30くらいで落ち着いている。
ただ尿蛋白は不明なまま。
家庭血圧についても、娘さんが測定して下さり、血圧ノートに記載。
おとなりは確認してないのだけどね・・・ そもそも興味ないから、見もしていない。
数ヶ月前から、食欲低下もあり、体重減少認め当然血圧も低下。
血圧ノート確認すると、起床時収縮期血圧100mmHg未満があり・・・
そんな時は降圧剤を娘さんがスキップして下さっていた。
本来は降圧剤減量すべきだが・・・となりではそれが無理であると娘さんもご理解されていたので、転院を検討されていた。
腎専門クリニックへの転院を検討していたのだけど、通院が困難である事や、今後在宅の可能性なども鑑みて、とあるクリニックへの転院を娘さんと相談して決めた。
今までの経緯を転院先に情報提供しておくので、受診の際お話がしやすくなるようにしますと、娘さんにお伝えしたところ、とても喜んで下さったのだ。
薬剤師がそんな事までしてくれるって思ってらっしゃらなかったのだ。
これからの看護師さんを育てる立場にいらっしゃる方に、これからの薬剤師の在り方をみてもらえて良かったかなぁ~ なんてちょっと思ってみたり。
でもって~
トレーシングレポートを提出。

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