かかりつけ患者さんからの問い合わせ内容の緊急性を鑑み早急にトレーシングレポートにて情報提供した症例

ざっくりとしたテーマなのですが・・・
実臨床で気づいてないだけで、進行しているかもしれない患者さんがいる可能性を考えて、今回このテーマにしました。
なんのこっちゃって感じですが・・・
甲状腺疾患と糖尿病の関連についてです。
甲状腺機能低下だと、脂質異常はよくあるという認識ですが・・・
血糖上昇については、採血時での血糖値が基準内なら問題ないと思いがちで・・・
そこがホントに落とし穴。
通常、採血は空腹時が多いから、甲状腺疾患にかかわらず、食後高血糖には気づかない。それでも、メタボ検診をされているか方はHbA1cでチェックできるのだけど・・・ 
メタボ検診をされていないケースだとそのまま放置となってしまうわけで。
そんなケースが約1年ほど前に・・・
ある時、その甲状腺機能低下で治療中の患者さん(となりに通院)から、ふーっと意識がなくなる感じや下肢をひきずる感じ等の訴えがあった。TSHやfreeT4はコントロール良好。発汗や動機は認めず。過去の血糖値の異常認めず。Hb低下も認めず。
実は、過去に何度か、代謝分泌の専門クリニックに転院を勧めていたのだが・・・ そんな矢先の事だった。
まずは、ご本人とご相談して、近隣の脳神経内科にて頭部MRIや脳波の検査をして頂く事になったが、異常所見なし。
なので、改めてとなりで採血をして頂くことに~
すると・・・ 血糖値が500mg/dlを超えており、とある病院の糖尿内科へ紹介となった。この日の採血は、たまたま食後数時間だったようだ。
現在も、糖尿内科で治療中。インスリン分泌がとても少ないとの事で、インスリン治療になった。
そういえば・・・
とある糖尿専門クリニックにて急性発症1型糖尿病と診断された患者さんも、実は甲状腺疾患の方だった。
甲状腺と糖尿病についてですが・・・
甲状腺機能亢進だと、糖吸収亢進やグリコーゲン・脂肪分解亢進、糖新生亢進などで糖尿病悪化の可能性がある。
甲状腺機能低下だと、インスリン分泌低下、インスリン抵抗性増大などにより糖尿病悪化の可能性ありとされている。
あっ・・・ また前置きが長くて~
ここからが本題です。

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