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ひまわり油再生プロジェクト(北竜町)

 北竜町は北海道空知管内北部に位置し、石狩川や雨竜川の豊富な水資源に恵まれた稲作のまちです。

 そのお米以上に、まちの代名詞となっているのが、ひまわり。

 まちのメインストリートにはひまわりをかたどった街灯が連なり、道の駅の名前も「サンフラワー北竜」。

 町内の「ひまわりの里」で毎年8月に開催されるひまわりまつりには、全国からたくさんの観光客が訪れ、昨年(令和4年)には過去3番目に多い28万人の来場を記録しました。

 ところで、このひまわり、実はある「目的」があって栽培が始まったことを御存知でしょうか。


ひまわりのまち、北竜町

 その目的とは、「油」。

 ひまわりから採れる油はオレイン酸を多く含み、高血圧の改善作用があるとされるほか、血中の悪玉コレステロールのみを減少させる働きや保湿効果も高いため、ヘアオイルなどの美容用途にも優れています。

 また、酸化しにくいという特徴があり、ドレッシングなどの常温使用に加え、加熱調理にも適しています。

 北竜町では、農協職員のヨーロッパ視察をきっかけに、昭和55年からひまわりの栽培とひまわり油の生産が始まり、その後、ひまわりは観光用にも作付けが進み、北竜町は国内でも有数の「ひまわりのまち」となります。

 しかし、平成15年に設備の老朽化に伴い、搾油を担っていた業者が撤退し、ひまわり油の製造は中止、以後は観光用途のみの栽培が続いていました。

旧搾油機

プロジェクト始動

 転機が訪れたのは平成28年、健康志向の高まりからヘルシーな食用油へ注目が高まる中で、北竜町にひまわり油を復活させたいという町の強い想いに、日清オイリオグループが応え、町役場、農協、商工会とともにひまわり油再生プロジェクトが始動します。

 この年には、農事組合法人「ほのか」ほか2戸の農家の協力により、ビタミンEとオレイン酸を豊富に含むとされるひまわり品種「コバルトⅡ」を播種し、秋には1.5tの種を収穫しました。

 この種は不要な水分を飛ばすため乾燥機にかけられたのち、名寄市の工場へと出荷、搾油工程を経て大阪の日清オイリオの工場で最終製品に仕上げられます。

 プロジェクトは異例のスピードで進み、翌年の2月には「燦燦ひまわり油」として商品化にこぎ着けます。報道にも多く取り上げられ、全国的な注目を浴びました。

ひまわり油の魅力

 現在では種子の生産量は8.5tまで増加し、売り上げも420万円と増加を続けており、消費者に幅広く好評を得ている北竜町のひまわり油。

 「安全安心にこだわり、播種から農薬を使わずに栽培したひまわりの種から、一番搾りのみを使用しています。
 また、その搾りかすにもオレイン酸やビタミンEが豊富なので、畜産農家に家畜の餌として全量を買い取っていただくなど、余すことなく活用できている。」と、北竜町経済ひまわり推進室次長の田村さん。

 また、味にくせがないことから、多様な食材とマッチするのも大きな強みで、今回、鈴木知事は食の達人が推薦する「北のハイグレード食品2023」にも選定された、ナッツの香ばしい風味のある「一番しぼりひまわり油をパンにつけていただきましたが、「大変おいしい。今度は生ハムにかけて食べてみたい」と話していました。

 ひまわりの生産に取り組んでいる農事組合法人ほのかの理事であり、北竜町ひまわり油生産協議会の中山代表からは、「このひまわり油を知ってもらう場をもっと提供いただければ」との声をいただき、道としても、どさんこプラザをはじめ、このひまわり油をより多くの方に手に取ってもらえるよう、取り組んでまいります。

(北海道空知総合振興局)


 北海道では、鈴木知事が地域の創意工夫ある取組を直接お聞きし、広く発信していく「なおみちカフェ」を実施しています。
 今回ご紹介した北竜町でのなおみちカフェの様子は、以下のリンクからご覧いただけます。

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