【驚異の再生医療~培養上清が世界を救う~】② 上田実

見て頂き有難うございます。【驚異の再生医療~培養上清が世界を救う~】の本を読んで上田実さんの医者としての病と向き合う姿や戦い、そして奇跡の薬 幹細胞培養上清との出会い、たくさんの実験の様子が書かれているこちらの本に大変感動いたしました。本当にたくさんの病気が治る日を私も感じることが出来、世界中から病気がなくなる日を信じて幹細胞培養上清を応援する気持ちでいっぱいです。そんなこの本を私なりに要約してみました。よかったら読んでみてください。

第2章 幹細胞 

幹細胞って何だ?

 私たちの体は常に細胞による細胞分裂が繰り返され、古い細胞は自死し、新しい細胞が作られ置き換えられている。さらに私たちの体は200種類37丁個の細胞からできていて、その主役となっているのが幹細胞。あらゆる細胞を生み出す細胞。細胞分裂する回数がそれぞれ決められている。テロメアが細胞の寿命を決めていると発表したエリザベスブラックバーン博士達は2009年にノーベル医学生理学賞を受賞した。
 
 テロメアとは「端の部分」と言う意味で染色体の端にあたる。遺伝する設計図である染色体の寿命を決めており、その両端がほつれないように端の部分を接着剤のように止めて守っている。DNAとは二本の二重らせん構造で、細胞分裂の時に間違った情報をコピーしていかないように、テロメアは短くなり、一定の回数をしたら停止するしくみである。そのため、いのちのろうそくと呼ばれる。

 細胞分裂するときに複写するのはDNAポリメラーゼ、テロメアにもテロメラーゼがあり、活性化して分裂回数を延長する。がん細胞においても、テロメラーゼが活性化し無限に細胞分裂してしまう。

人間は120歳まで理論上は生きられる 

 人間は120歳まで理論上は生きられるが、実際は幹細胞が次第に減少することで、病気によって細胞自身の分裂が追いつかずに病におかさせてしまう。幹細胞【多機能性幹細胞であり、骨や軟骨などを作る骨髄子房の中に存在する間葉系幹細胞】は新生児のときの量を1とすると18歳では10分の1 50歳では約40分の1 、80歳になると200分の1に減少する。神経細胞は再生されないという定説「カハールの呪い」は、最近では中枢神経にも幹細胞の存在が明らかになり払拭された。また、この減った幹細胞の部分を補充するという概念で再生医療という補充治療の研究が始まった。

新生児は傷ができてもほとんど跡が残らない

 赤ちゃんの時は、「未分化細胞」と言う役割の決まっていない細胞が多くあり、これこそが幹細胞である。新生児が傷ができてもほとんど跡が残らない良いのは、例えが悪いがトカゲはプラナリア並みに体中に幹細胞が存在しているからである。また、37丁個の細胞の元となっている受精卵は、いわば究極の幹細胞といえる。

幹細胞には二つタイプがある

【組織幹細胞と多能性幹細胞】

組織幹細胞は、俺の役目はこれだといわんばかりに古い細胞の代わりになる新しいのを作り出すタイプ。もう一つの多能性幹細胞はどのような細胞にも分化できるタイプであり、この二つの大きな違いは、培養したときに組織幹細胞はある程度しか増えないが、多機能性幹細胞は爆発的に増える事。しかし、何の細胞にでもなれることはわかっていても、思い通りに分化させる難しさやがん化など問題がある。

人工的に多能性幹細胞を作り出したのが、ES細胞やIPS細胞で、ES細胞は胚性幹細胞と呼ばれ受精卵から作る。

「三要素概念」

ジョセフ バカンティ博士はグリーン博士よりも遅く現われ、グリーン教授の開発した皮膚は薄い膜のため作れたが、立体の骨や臓器を作るには「幹細胞」と「足場となる人口材料」と「生理活性物質」が必要であると提唱しこれを「三要素概念」と「生体組織工学」と名付け有名になり世界中でその方向で研究が進んだ。

バカンティ理論への疑問が湧いてくる

幹細胞の量を、千個、一万個、十万個と変え、犬3匹の顎のあなの修復の実験したが、幹細胞の量は比例しておらず、幹細胞が見当たらなくなっていた。さらに犬の幹細胞や豚の幹細胞を移植し、拒絶反応が起こると思ったが起こらず、さらに治り方は変わらなかった。

主役は幹細胞ではなかった

 骨再生の主役は幹細胞ではないのではと推定し、培養するときに
幹細胞が生理活性物質を産生する事は知られており、幹細胞の培養液は組織再生の重要の脇役として、主役の幹細胞の誘導者であり引き立て役になっているのではないかと仮説sが立ちコペルニクス的転回が起きた。

培養細胞を使う事の、3つの問題点。

 1つ目はがん化のリスクで、培養という不自然で爆発的に増える環境下にあり、染色体に異常が起こりがん化する危険性があるため。2つ目は血栓のリスクで、臨床で使うのは骨髄の幹細胞で、これはもともと塊を作って暮らしている細胞のため血液の中に入ったら血栓を作る恐れがある。3つ目は、最も問題で幹細胞オールマイティー節を信じて、幹細胞を点滴すればなお若返るといった科学的根拠のない治療が行われること。

法律が作られた

 日本再生医療学会としても黙っていられず議員立法で「再生医療等安全性確保法」と言う法律が作られた。この法律によって幹細胞、培養細胞を使うときにはそれぞれの地方厚生局に届け出て承認を受けることが必要になった。しかし、この法律は両刃の剣で、臨床研究がやりにくくなっている。

【驚異の再生医療~培養上清とは何か~】③へ続く

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