サマーキャンプをふりかえり
初めてのサマーキャンプが無事に終わりました。
直前には天候が崩れたり、予定の変更が重なったりして、最後の1週間は連日睡眠3時間ほどで、当日の朝まで準備に追われていましたが、2泊3日のキャンプは、17名の小学生のたくさんの笑顔と笑い声、少しのけんかや涙も交えながら、充実した時間になりました。
キャンプを一緒に盛り上げてくださった地域の方々やスタッフとして協力してくださった皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
キャンプを振り返る中で、方向性に自信が深まったと同時に、改善へのポイントや、課題も明確になりました。今回のキャンプで得た学びを共有したいと思います。
3日間のテーマは「自然を感じる。地域の人々が自然を生かして暮らす姿に触れる。その中で何かおもしろい!と思うことを見つける」。
なぜこのテーマだったのかというと、準備中の小学校では、子どもたちに自分が夢中になれることを見つけ、それを深めていってほしい、できれば自分の強みとなるまで磨いていってほしいと考えています。そして、小学校を卒業した後には、その強みを社会で活かし、新たな価値を生み出してほしいという思いがあります。そんな思いで子どもたち一人ひとりの価値と可能性を信じ、豊かに学び育つ場を目指して準備しています。
しかし、本当に夢中になれるものを見つけるのは簡単ではなく、むしろ子どもが興味を示しても、「やるべきこと」や「必要なこと」を優先させられているうちに、興味を失ったり、興味を示すことすらしなくなってしまうことが多いという話をよく耳にしますし、私自身もそんな経験を悔やむことがあります。
そこで、「いろいろなものに反応するセンサー・感度」を鍛えるために、
まずは自然を感じることに集中し、
感じたことをそのまま表現し合い、
活動を共にする人の反応に触れ、
もう一度自分が感じたことに立ち返ること
を継続的に行っていきたいと考えています。同じ場所で同じ活動をしていても、面白いと感じることは人それぞれ異なるので、新たな発見があったり、自分の発見を他の人に面白がってもらったりすることがあります。こうした、一人ひとり固有の感覚や感性を楽しむ時間を重ねることで、身近なところでも、自分ならではの感性を信じて、いろいろなものに反応し、興味や関心を持って探究していく姿勢が育まれるのではないかと考えています。
そんな理由で、準備中の小学校では、目的を与えて取り組んでもらうことを一旦わきに置き、純粋に「感じる」ことに意識を向ける時間を大切にしたいと考えています。
今回のサマーキャンプでは、このコンセプトをテーマにしました。
安比高原は縄文文化が栄えた場所であり、近くには縄文遺跡も点在しています。この地域の人々は、古くから豊かな自然環境を活用して生活してきたと考えられています。そんな先人たちの知恵を育んだ大自然の中で、葉っぱの揺れる音、川の流れる音や水の冷たさ、虫の鳴く声、木の幹の肌触り、地面を踏みしめるときの感覚、満天の星、暗闇で光るホタルなど、普段の生活では感じることが少ない自然の要素に、子どもたちがどんな風に感じ、心を動かされるのかを想像しながら、また、子どもたちが感じたことがそれぞれの好奇心を刺激して、新たな興味や関心を引き出すきっかけになることを願って、このテーマを掲げることにし、活動内容を考えました。
いろいろな自然体験活動に加えて、メインの活動に「Feel度Walk」を取り入れました。私は昼食の準備で活動に参加できませんでしたが、後から動画で、子どもたちが何か成果を出さなければならないという意識から解放され、自由に、素直に感じたことをありのまま表現し、互いに反応し合って楽しんでいる様子でうれしかったです。
子どもたちが、純粋に自然を観察したり、生き物の足跡を見ていろいろ想像したり、一生懸命に虫を追いかけたり、大きく反応してもらえると、きっと感度が上がってるだろうと大人も嬉しいのです。
小学校では「Feel度Walk」などで「感じる」時間を大切にしていきたいと、あらためて強く感じました。
また、全体を通して改善点はいくつかありました。スタッフとして協力いただいた方々ともふりかえりの時間をもちました。
いくつかの活動はオプションにして、一つ一つの活動をもっとじっくり楽しんでもよかった。
班で行動するときの子どもの役割分担を事前に決めてもよかった。特に薪割り、火おこしは年齢で決めたほうが良かった。
木材や木の実などを使って、自由な発想でモノづくりをさせる時間があってもよかった。
Feel度Walkの活動範囲をもっと広げてもよかった。
今回は2泊3日だったので、食事も含めて大人が事前準備を整えていたところがありましたが、次回は準備や後片付けなども子どもたちと一緒に行うよう、3泊にしてもよいとも感じています。
また、安全管理については、まだ改善の余地があると感じています。今回のキャンプでは、子どもたちが自らの興味や関心を大切にしながら活動できるよう、できるだけ行動に制限を少なくするよう心がけました。例えば班ごとの活動中に、虫を追いかけて少し離れた池の方へ行ってしまう子や、川の音に惹かれて川に足を入れてみたくなる子がいて、大人の見守りが必要になる場面がありました。
今回、このように自分のペースで活動する子は少数に限られましたが、今後は幅広いサポートをいただきながら、大人の見守り体制をさらに強化したいと考えています。子どもたちがのびのびと、そして安心して行動できる環境を、工夫しながらつくっていきたいと思いますので、何か良いアイディアがありましたら、ぜひお知らせいただけるとうれしいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?