見出し画像

遊休農地対策について考えたこと。信号もコンビニもない人口1400人ちょっとの泰阜村より。

3月議会が終わったと思ったら
あっという間に6月議会が始まります。
報告が遅くなってしまって申し訳ないです。

R5年度の3月議会では、
これまで議論を重ねて来た
農業委員会さんとの懇談会もありました。
村内にある農業の会社、ヌーベルファーム泰阜さんに
貸し出していた柿の圃場が生育不良により
貸し出していた7割近くが戻ってくる
ことになった。そんな背景があり、
議論が重ねられました。

話し合いの状況、泰阜村の農業の状況、
感じたことをまとめておこうと思います。


🔹村内の農地の状況

【農地面積】
  355ha (田:156ha 畑 : 199ha )
  うち荒廃農地面積  127ha (田 : 65ha  畑 : 62ha )
        荒廃率 35.8%
  水稲作付面積           36.6ha 
  作付農家数 : 148世帯
(農地台帳 R4年度末現在)

 荒廃率は全国平均5.5%に比べると
 やはりとても高い。

🔹契約解除となる圃場


 企業に貸し出していた農地の詳細。
 61筆77,891㎡の農地を農地中間管理機構を通して
 柿(村内での市田柿での生産を目的として)
 を植えたが、うまく育たず、R7年度までに7割が戻ってくる。
 うまく育たない理由、契約解除の理由として
  ・日当たり不良
  ・湧水が多い(もともとが田んぼ)
  ・鳥獣被害
  ・運搬困難
 の4点が挙げられる。 

🔹地域計画の策定



農業経営基盤強化促進法(以下、基盤法)の改正に伴い、令和5年4月から、  
地域農業の在り方を示した「人・農地プラン」が「地域計画」に名称が変わり、「目標地図」の作成が新たに義務づけられた。
 その目的は、 今後、高齢化や人口減少の本格化により農業者の減少や耕作放棄地が拡大し、地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念される中、農地が利用されやすくなるよう、農地の集約化等に向けた取組を加速化すること。

上記のような背景があり、農業委員の皆さんから
議員の皆さんの意見を聞きたいとお申し出頂き
懇談が持たれました。

🔸野々山個人の提案として

🔸泰阜村の農業の現状


・ 担い手不足
・農地面積が狭く大規模な農業が難しい
→専業的に農業だけで生計を立てていくことが難しい
・ 作った作物を加工する場所が村内になく、村内で循環することが難しい。

🔸実際に農地を見た中で感じたこと


使えそうな農地と、農地として使っていくのには難しい農地がある。
・使えそうな農地でも、柿が育たなかったことを考えると、その農地にあった作物が何かを検討する必要がある。

🔸村の方から聞いた声


・親がやっていることを引き継がないといけないという思いはある。
・仕事が忙しくてできない。お米は買った方が安い。
・農業に興味はある。教えてくれる人がいない。村の講習会などは平日の昼間で忙しくて行けない。
・ 今作っている作物(えごま)をやりたい人がいたら教えたい。自分一人では今の規模が精一杯。やってくれる若い人がいたらいくらでも教えるけれど。
・農地を借りるのにお金がかかるのか?
・どんな農地がいくらで借りられるのかがHPでわかると嬉しい。(見える化されていないので、初期費用がかかるのでは?と思うと一歩踏み出せない)

泰阜村の30〜40代の私が聞いた声
⇨農業で「儲けよう」という人はほとんどいない。

⇨代々続く農地を守りたい、自分で食べる分ぐらいは自分で作りたい、という声が大きい。

 

🔸今後の提案


・泰阜村の農業の方向性をはっきりとさせる。

  高収益の作物を探して、「農業で稼ぐこと」を目的として話し合うか、村の人たちが自分で食べるものを自分で作る(自給率を上げる)ことを目的として話し合うかを決める必要があるのでは?

・農地の分類
現状の借り手がいない農地を、農地として使う優良農地と、荒れないように保全していく保全区域に分ける。

・優良農地に関しては、条件を「見える化」する。
農地の場所、写真、面積、借りる際の価格、契約期間特徴(どの程度の深さの根がはるか、陽当たり条件)をわかりやすくまとめできればインターネット上や村内の広報で公開する。

・ 村内外の関係者で優良農地についての協議会を行う
 ※若い世代が参加できるような配慮を。
 


農業委員会の皆様からも様々意見が出されました。
そして、やはり「担い手」をどう育成していくか、
ということに議論が集中しました。

その一方で松川町が取り組んでいる有機野菜を
給食に取り入れていく方法を紹介すると、
泰阜村でもかつて、作った野菜を給食で
使ってくれていた時があった。
その時は農家も潤っていたし、うまくいっていたとのこと。
ただ、学校の栄養士さんが変わると
「規格」や「発注」の問題で
継続できなくなったという。。。。
(もう一度なんとかできないものか??)

少なくとも私の友人たちは、
田畑をなんとかしたいという気持ちはある。
ただお米は「買った方が安い」という現状もあります。
そして、子育て世代は、子どもの送迎や仕事、消防で
余裕がない。村の行事も多い。
その上で田畑も、、、となると、それは確かに
負担だとも思います。

この話し合いは
・農地の仕分けをすること
 (農地として残す農地と山に返す農地に分ける)
・農業公社の設立や支援を考える
。。という方向で終了しましたが、
ひとり一坪農園など、農地をコミュニティと捉え
年配の方が若者に農業を教えるような取り組みが
できたら、ということも発言させて頂きました。

この問題を議論して、とかく感じたことは、
作物を作る担い手の確保はもちろんですが、
作ったものを、給食や各家庭と
結びつけるコーディネーター的な
存在が必要だということ。
また、子育て世代が田畑に行けるように、
送迎や村の行事の負担を軽くすること。
でした。

「答えが出ないから」
「全国的にそうだから」
ではなくて、「じゃぁ、どうしたらできるんだろう」
と考えていきたいなと感じました。

6月定例会でもこの問題の進捗を
追って確認していきたいと思います。

私も、玉ねぎとじゃがいもを植えてみたけれど
畑を見にいく余裕がなかなかなくて。。。
早く起きて見に行こうと思います。
自分で野菜やお米が作れたら、
インフレにも左右されないし、
何よりのリスクヘッジだと思ったりもします。
行政とは離れますが、個人的にも
美味しい野菜が作れる人になりたいなと
思うこの頃でした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?