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別所温泉、北向観音へ。

休日、上田市別所温泉の、北向観音へ出かけた。
二両編成の別所線に、うつらうつらと
揺られて行く。連休明けの平日で、駅を出ると
人の姿がない。昼どきの時刻で、晴天にぽっかり
浮かぶ雲を眺めながら、蕎麦屋のそば久へ行ったら、
あいにく定休日だった。そのままその先の、
北向観音のご本山、常楽寺の階段を上がり
お参りをした。旅館七草の湯のわきを通って、
細い参道から観音堂への階段を上がると
お堂から、えんえんと木魚をたたく音が響いてくる。
一年ぶりの千寿観音さまにお参りをした。
観音さまは、現世の御利益を叶えてくださり、
近所の善光寺の仏さまは、来世の願いを
叶えてくださるという。今年も両参りを
済ませて、気分もさっぱりしたのだった。
観音堂の階段下の蕎麦屋、だるま家の入口に、
そば粉は青木村産「タチアカネ」新蕎麦ですの
看板が出ていた。好いですねえ。
そそられて、初めての蕎麦屋の暖簾をくぐった。
愛想の好いおばちゃんに迎えられ、
座敷のひと席に落ちついた。
ビールを注文したら、おばちゃんがお酌を
してくれて恐縮する。お通しのひたし豆と、
きのこの煮つけで飲みながら見渡せば、
テーブル席は一席だけで、座敷に四人掛けの机が
並んでいる。奥からご主人の話し声が聞こえるから、
年配のご夫婦の営む店と察しがついた。
品書きを眺めると、なんとも良心的な価格で、
また恐縮した。ビール大瓶650円、地酒一合400円。
つくね150円、鶏唐揚げとフライドポテトと
長芋の千切りがそれぞれ200円。
長いもの千切りと燗酒を注文したら、ご主人が
運んできてくれた。地酒の銘柄を訪ねたら、
若林さんの月吉野という。
好いですねえ。別所温泉の在る、
塩田平のお蔵さんの醸す銘酒だった。
やや辛口の汁で、細打ちの蕎麦を美味しく頂いて、
別所温泉に来たときは、また立ち寄りたいことだった。
ひと風呂浴びて温まって行こうと、坂を下って駅前の
あいそめの湯に行ったら、祝日の振り替え休日で、
あいにくの休館日だった。別所線の、
あいそめ湯ったり切符を買ったのに、がっかり気分で
駅に戻ったのだった。

タチアカネ初観音の蕎麦屋かな。



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