見出し画像

油断禁物で。

朝、スマホのアラームが鳴った。覗いてみたら、
長野市に熊が出たというのだった。ここ最近、
毎日熊出没の知らせが届いている。一日に二度も三度も
届き、テレビのニュースを観ていると、
山菜採りに出かけて襲われたり、自宅の敷地に入ってきて
襲われたり、被害が絶えない。この日はそのあとも
長野市の二箇所で熊が出て、近隣のかたがたに注意を
促していた。
毎朝、ノルディックウォーキングをしている。ときどき自宅を
出て西へ向かう。善光寺の参道を横切って、
桜枝町から西長野に入ったら、諏訪神社の坂道を上がる。
長野が平和でありますように。神社にお参りをしたら、
そのまま真っ直ぐ上がって、往生地のゆるやかな
曲がり道を進んでいく。小丸山公園を過ぎて、
東大の地震研究所を過ぎて、大きくカーブする坂道を行くと、
東山魁夷画伯の眠る霊山寺が在る。そこを過ぎて、
展望レストラン青い銀河を過ぎていくと、善光寺雲上殿に着く。
朝陽のあたる市街地を見下ろしながら歩いていると、気分も
清々するのだった。ところが先日、その雲上殿のすぐそばに
熊が現れたのだった。近くには民家も点在しているし、いよいよ
こんな間近まで来るようになったかと、ちょっとびびった。
しばらくこのコースは通らないことにする。
善光寺から北東へ三キロほど進んで、湯谷団地を抜けた高台に、
曹洞宗の古刹、昌禅寺が在る。
秋になると境内の紅葉が鮮やかに色づいて、連日たくさんの
かたが訪れている。週末になると車が混雑するほどで、
人込みを避けて、いつも早朝におじゃましている。
秋だけでなく、新緑の季節を迎えると、今度は
爽やかな緑に色づいて、幸いこちらのほうは訪れる人もなく、
静かな気配の中で癒されている。
先日、朝の散歩の折りに立ち寄って、境内を散策させて
いただいた。敷地が広く、庫裏の奥には立派な杉林と竹林が
あって、檀家さんの墓がずらっと並んでいる。
その先は行ったことがないけれど、たぶん裏山へとつながっている。
ここにも熊が出かねないなあ。
訪れるときは油断禁物と思いながら、眺めたのだった。

湯谷団地抜けて新樹の古刹かな。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?