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鎌倉ひととき。

鎌倉の友だちの蕎麦屋で、酒と蕎麦を堪能した翌朝、
宿で目を覚ましたら、前日の酒がまだ効いている。
友だちが宿まで同行してくれて、宿のご主人を交えて
酒を酌み交わしてからの後半の記憶が飛んでいる。
気がついたら布団の中にいたのだった。
よく飲んだなあ。
ぼーっとした頭で宿を出て、静かな住宅街を抜けて、
近くの腰越海岸まで出かけた。
通りを渡って浜辺に行くと、早朝から波に挑んでいる
サーファーがいた。穏やかな波の向こうに、
今にも降りだしそうな厚い雲の空が広がっている。
宿に戻ってもうひと寝入りして、江ノ電の腰越駅へ
向かうと、サーフボードを抱えた自転車の女性とすれ違った。
久しぶりの江ノ電に揺られて行くと、車窓越しの海に
ちらほらと黒いサーファーたちがいた。
眺めていたら、海街diary、好い映画だったなあと
思い出した。長谷駅で降りると、通りには朝から車が
連なって、歩道をぞろぞろ観光客が歩いている。
道沿いのカフェでサンドイッチとカフェラテを頂いて、
大仏さんを拝みに向かったら、
境内は観光バスの団体客や、修学旅行の子供たちで早々に
にぎわっていた。通りを戻って右折して長谷観音に行ったら、
見ごろの紫陽花を眺めに、こちらも観光客がすごい。
坂道を上がって本堂でお参りをして門を出たら、さらに
車も人も増えている。この時期の鎌倉にいると、
どこに行っても人波に飲み込まれるサーファーに
なってしまうのだった。時間を見計らってバスに乗り、
友だちの蕎麦屋、そばcafe tamazzeに行って昼酒にする。
昨日飲み過ぎたので、今日は控えめにしようと
思っていたのに、わらびのお浸しで黒ラベルを空けたら、
活気がぶり返して、日本酒を漬け物と濃い目の蕎麦汁で
三杯やってしまった。蕎麦も汁も、ほんとに旨いなあ。
今度はぜひ新蕎麦のときに来てください。
蕎麦の香りがぜんぜんちがいますといわれ、そそられる。
秋は秋で、どこもまた観光客でごった返すかなあ。
酒を飲んで新蕎麦食べて、あとは静かにのんびり、
波の音を聞きながら、江の島眺めながらワインでも
飲むか。
早々に次回の鎌倉詣でが頭に浮かんだことだった。
久しぶりの鎌倉、なんとも楽しいひとときでした。

宿酔いの頭抱えて夏の海。




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