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蕎麦屋酒に誘われて。

休日の朝、友だちの営む整骨院へ出かけた。
腰痛と頭痛と肩こりをほぐしてもらい、すっきりした
気分で町をひとまわり散歩する。
長野電鉄の線路に沿って歩いて行くと、三輪小学校の
子供たちが元気よく走って追い抜いていく。
美和神社にお参りをして、静かな住宅街の中を抜けて
大きな通りに出たら、ゆるい坂道を上がって行く。
大きな四つ角を左に曲がって行くと、我が母校の
長野吉田高校の後輩たちが、ぞろぞろと学校に向かって
いる。そのまま進んで、通り沿いのすき家に立ち寄った。
店内には、作業服のおじさんたちや、年金暮らしの
おじいさんが朝飯を食べている。
ビールを飲みながら、おろしポン酢牛丼ミニ盛りを
食べていたら、女の子がひとり入ってきた。
すぐそばの長野高校の生徒さんと見受けられ、
カウンターに座って運ばれてきた牛丼を食べ始めた。
牛丼屋にひとりでやって来る女子高生、なかなか
かっこいいではないか。成人したらおじさんと
一杯やろう。見惚れて声をかけそうになった。
反面、家でご飯を食べられない環境なのかなと気に
なりつつ店を出た。
自宅に帰って掃除と洗濯を済ませたら、ほど良い時間に
なった。
自宅から3キロ余り離れたところに飲み友だちが住んでいる。
すぐ近所に馴染みの蕎麦屋が在るから昼酒をやりましょうと
誘われたのだった。
三輪田町を過ぎて、柳町から平林のスーパー、ツルヤを
過ぎた先の、わだやが今回の目当てだった。
暖簾をくぐると、店のお姉さんが明るい声で迎えてくれた。
店の奥の冷蔵庫を覗いたら、幻舞、澤の花、太平海に東洋美人、
酒の品ぞろえが好い。この銘柄だと、取り引きしてる酒屋は
千曲市の生坂屋だな。呑兵衛はすぐわかる。
ビールで乾杯して品書きを眺めていたら、カウンター越しに
ご主人が、今日はサバの西京焼きがありますよ~と声を
かけてくれた。やっこと長芋の千切りと一緒に注文した。
朝の散歩のときに、いつもこの店の前を通っていた。
店先に一升瓶が何本か飾ってあったから、酒の品ぞろえが
良いのかなと気になっていた。足を運ぶことが出来て、
誘ってくれた友だちに感謝した。
日本酒3杯酌み交わし、十割のもりで締めて、またやろうと
酔い酔いで別れたのだった。

初めての蕎麦屋昼酒秋日和。



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