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出直し金読本

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「はじめての金読本」のコンテンツを見直し、金(ゴールド)の基本や付き合い方をおさらいします。専門的な用語は使いません。マーケットの動きについても必要な場合を除いて触れません。そも…
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2018年4月の記事一覧

出直し金読本003 歴史の重み

出直し金読本003 歴史の重み

 貨幣史をひもとくと、人類が最初にお金として用いたものは、牛であったり子安貝(宝貝)であったりしたらしいことが分かります。塩とか麦などもお金として用いられたはずです。これらの「原始マネー」は、もちろん地域や共同体によって異なるものの、おそらくは「希少なもの」「貴重なもの」、そして「豊穣を約束するもの」という点で共通していたのではないかと思われます。 紀元前5000年紀から装飾品として用いられてきた

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出直し金読本002 金は太陽だった

出直し金読本002 金は太陽だった

 考古学の発掘調査によれば、これまでに発掘された世界最古の金装飾品は、通説となっている古代エジプト文明よりも遥か昔、紀元前5000年紀に黒海東岸(現在のブルガリア共和国)辺りで栄えたとされる古代トラキア文明の「ヴァルナ集団墓地遺跡」から出土したものです。そのヴァルナ近郊からは塩の生産設備も発掘されていることから、古代トラキアの金装飾品は、塩の交易で得た富によってもたらされたものだったのかも知れませ

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出直し金読本001 はじめに

出直し金読本001 はじめに

 日本に住む私たちが買い物をして、お勘定をする(決済する)手段は、いま大きな変化を遂げつつあります。ほんの10数年前まで、現金かクレジット・カードを使うのが一般的でしたが、今ではスイカに代表されるICカードも決済手段の一つに加わっています。 進んだ店舗では仮想通貨(欧米では暗号通貨ないしは暗号資産と呼ばれています)にも対応していますが、まだ先行きが見えにくいところがあります。その代わりに登場すれば

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