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No.12 和更紗~鍋島更紗~

naomariaです。毎月第3金曜日に配信の「更紗マニアへの道」。一週遅れてのお届けです。

和更紗に突入したものの、未だ産地別のご紹介がされていませんでした。今回お届けするのはその初回。特に有名な鍋島更紗をご紹介します。

日本に伝わった更紗。多くの人々を魅了し、江戸時代には異国風の更紗模様の染めが本格的に始まった。それが「和更紗」。まずは模倣から始まり、アレンジが加わり日本独自の更紗へと発展。想像を絶するほどの試行錯誤の連続で、堅牢性も落ち着いてくるようになります。特に鮮やかな赤色を染めることは困難だったようです。日本では型染めが主流です。

鍋島更紗が最も有名な理由

鍋島藩によって作られた更紗が鍋島更紗。鍋島藩は正式には佐賀藩と呼ばれる。藩主が鍋島家だったため鍋島藩と呼ばれることが多い。この鍋島藩は参勤交代の際、将軍や幕閣への贈答品として用いていたのが鍋島更紗。この鍋島更紗は興りからしっかり記録が残っており(鍋島更紗秘伝書)、他産地の更紗とは違い、産地はもちろん生産者までもが特定できる希なものです。秘伝というくらいなので一家相伝の密かに伝わる芸術品だったんですね。このように明確な資料があることで、しっかりと後世に伝わることができた鍋島更紗。あやふやな検証しかない他更紗とは違い、確証あるものとして説明できるところが、和更紗の中でも一番興味ある者の心に残るのかもしれない。

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