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見知らぬ15歳の訪問とウクライナのこと

こんにちは!
ウクライナとロシアが戦争を始めてから数日…最初の頃は胸が痛くなったり、訳もなくドキドキするような日々が続いていました。

娘の仲良しの友だち一家はウクライナ出身

娘の学校は比較的移民と呼ばれる人たちが少なく、私たちは学校でも少数派のアジア人です。娘のクラスを見ていても、オランダ語が家庭の継承言語ではないのはうちともう一家族だけ。それがウクライナ出身の家族なのです。

私たちはいわゆるオランダのバックグラウンドを持たない家庭同士仲良くしていることもあって、悩みを共有したり、子どもたちも仲が良いことで習い事が一緒だったりします。放課後にも遊んだり、家に遊びに行ってお茶をしたり。もちろん、仕事の都合でお迎えに行けない時は助け合ったりも。

だから…という訳ではないかもしれませんが、この戦争は私たち家族にとって決して「ひとごと」ではありませんでした。

兄弟を迎えにポーランドとウクライナの国境へ

一つ前の休暇で、本当はウクライナへ一時帰国したかったようなのですが、この戦争が始まる気配を感じていたらしく、「今回はやめておくよ」と言っていました。「私たちはとても難しい隣国を抱えていてね…」と、ママは悲しそうな表情をしていたのを今でも覚えています。

パパの兄弟は小さい子どもを抱えてウクライナにいるということで、いてもたってもいられなくなり、ポーランドとウクライナの国境へ出かけたと聞いたのは、戦争が始まって2日目のこと。

結局、無事に兄弟に会うことができ、1歳にも満たない子どもを連れてオランダへ戻ってこれたようです。本当によかった…

私にできることといえば、彼らに支援をすること。何か必要なものはないかこまめに聞いてみること。「私たちはあなたたちを助けるためにできることは何でもするから、遠慮なく頼ってね!」そうメッセージを送ると、「とても心強いよ。菜央、ありがとう」とメッセージが返ってきました。

ある日、見知らぬ青年が訪ねてきた

そんな時、我が家に見知らぬ青年が訪ねてきました。彼はドアを開けた私にオランダ語で話しかけてきたのですが、「英語は話せますか?」と聞くと、「ちょっとだけなら…」と言いながら何やら説明を始めました。

よく聞いてみると、彼は15歳でウクライナのニュースを聞いて、自分の属している団体からウクライナへの寄付を募ろうと行動しているとのこと。拙い英語で私に仕組みを説明してくれました。「僕の英語わかりにくいよね、ごめんね」と言いながら。

悲しいことにこういった詐欺もあるので注意は必要だし、オランダではこうやって地元のためや発展途上国のために募金や寄付を募る人たちがちょくちょくやってきます。

どうしようか迷っていた私でしたが、彼のプロフィールや何が彼を動かしているのかを聞いて、寒い雨の日に活動しようと動いた彼(と彼の後ろにある団体)を信じてみようかと思いました。

「僕は世界を旅行したり、他の国のことを知るのが好きで、いつか僕が旅行するかもしれない国を自分の手で助けられるなら、やってみたいと思いました」

ひょっとしたら詐欺かもしれないし、そういったメッセージを言うことで人の心を動かそうとしてるのかも…なんていうのももちろん思ったのですが、今回限りは信じてみますか。と少額ですが寄付することに。きちんとIDも持ち歩いていたし、団体の存在も確認できたので、彼の気持ちを信じて。これで騙されていたとしても、まぁ仕方ないとして。

こういった活動を行う青年たちをどこかで疑わなければいけないところ、少し切なくなります。

「日本は行ってみたい国です!」

そう彼は言い残して、去っていったのでした。

行動できる人たちが社会を変える

先週の晴れた日曜日、オランダはクロッカス休暇でホリデー中なのですが、アムステルダムにあるダム広場には大勢の人たちが反戦デモのために集まっていました。

もちろん、オランダと日本は場所も違えばその状況も違います。オランダには圧倒的にウクライナから来ている人たちも大勢います。でも、果たしてここにいるのはオランダ人ではない人たちだけなのか?と思うと、そんなことはないと思うのです。

15歳の少年と心がつながっていると嬉しい

あの15歳の少年が誰かのことを想い、それを行動に変えることができたことを思うと、私には何ができるだろうと考えさせられます。

寄付はしたし、これからもそのウクライナ一家を継続的に支援していきたい気持ちはより高まりました。15歳が思い切って行動できるのであれば、私にもできることがきっとある。1,500km離れた国のことを想う気持ちを大切に、これからも「自分にできることをここから」という気持ちを忘れず日々を生きていきたいと思いました。

私たちの活動内容に賛同いただける方々からのサポートをお待ちしています。ご協力いただいたサポートは、インタビューさせていただいた方々へのお礼や、交通費等として使わせていただきます。よろしくお願いいたします!