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現地校に通って見える世界(学校教育、保護者との関わりなど)

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子どもがオランダの現地校に通う中で感じたことや、子どもの親として他の保護者との関わりなどで感じたことなどをまとめています。
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記事一覧

オランダの小学生を見ながら考える「厳しい学校ルール」の意義

こんにちは!今日は子どもたちにとっての「校則」について書きたいと思います。…というのも先日、高学年の教室に入った時のことでした。生徒2人がおそろいのピンク色に髪の毛を染めていたのです。いわゆる「ブロンド」に近い彼女たちの髪の毛は、染髪すると結構しっかり染まります。その髪を見た相方のMarian(仮名)が2人に、 "You guys have a matching hair color, cute!(あんたたち、お揃いのヘアカラーやん、かわいいね!)" と声をかけたのでした

小学校の懇談で印象的だった質問

こんにちは!先日、娘の小学校で担任との懇談がありました。オランダの小学校ではほとんどの場合、家庭訪問はありません。これまで1校だけ「家庭訪問をしたことがある」という学校に出会ったことがありましたが、「学校にとってかなりの負担になるのでやめた」という話をしていました。 「家庭の状況を把握することは、よりよい教育活動を行いたいという私たちにとって"無関係"だとは言わないが、かなりの負担になる。家庭の状況を知ってしまった以上、そこに"介入しないという選択肢はない"ということになる

オランダ移住に向いているかもしれないマインド?

こんにちは!最近また「海外移住」やら「教育移住」やらのご相談や連絡をいただくようになってきました。私の海外経験は、学生時代にアメリカで10ヶ月、そしてオランダでの生活も5年目に突入しました。今回は、オランダ移住だけに限らず、海外での暮らしに向いているかも?というマインドについて個人的な視点から書こうと思います! Voicyでもお話ししていますので、ご興味がある方はこちらからどうぞ! https://voicy.jp/channel/3079/6061764 教育の根本は

"shadow education(影の教育)"という言葉

こんにちは!先日、8月末に開催したオランダの学校視察ツアーが終了し、やっと日常生活に戻りました。おおよそ9月から新学期が始まるオランダで、娘は新学年として新年度を迎えることができました。 今回の視察で学んだことは数多くありました。私はオランダや時に北欧諸国を訪れて「教育」というものを立体的に知ろうとしていますが、その中で何度もキーワードとして出てくるのが「公共性」です。公共性の中には、とても多くのものが含まれますが「公教育」も公共性の一部だと言えます。 そして、今回の視察

「教職員」という立場の人たちが本当に求めているもの

こんにちは!最近、元広島県教育長の平川理恵さんがVoicyを始められたということで、理恵さんのお話に耳を傾けています。 最初に思ったのは、 「やっぱり、現場を見てきた人の言葉の裏側にはその人が見た景色が見える」 ということでした。教育って、途上国ではない限りほとんどの人たちが通過してきているものです。だから、多くの人「私にも言いたいことがある!」と話ができることでもあります。 それ自体は悪くないとは思いますが、その「教育に関すること」の中にある、「学校のこと」に関して

娘のクラスでお寿司のワークショップ!

こんにちは!先日、娘のクラスで夫の義則と一緒にお寿司のワークショップをしてきました。子どもたちも大喜びだったワークショップを振り返ります。 テーマ学習は"ワールドレストラン"オランダの小学校の子どもたちの多くは「ワールドオリエンテーション」という、社会と理科をドッキングした教科を通して学びます。そして、このワールドオリエンテーションにはテーマ(単元)があり、1年間でいくつものテーマをなぞりながら学んでいきます。 ある日の朝食時、娘が義則に聞きました。 「お父さん、VOC(

オランダで子どもを留年させる?

こんにちは!雪もちらほらと降り始めたこの頃。気温がとても低い日も目立つようになってきました。とはいっても、マイナス10度なんかにはならず、寒くてもマイナス3度くらいです。 アメリカでアイオワに留学していた私ですが、冬場はマイナス25度なんてこともありました。笑 ジムの帰りに髪の毛が凍ったことを思えば、オランダの寒さは…まぁまだ耐えられる寒さです…(と思おうとして生きているw) オランダへの移住の相談の中でオランダへ子連れで移住したいという考えをお持ちのご家族からの連絡が絶

「やられてもやり返さない」を子どもに伝えること

こんにちは!どんどん寒くなる12月…朝目覚めても外は真っ暗な季節がやってきました。今日は子どもたちの間に起きる「もめ事」について。「やられたらやり返す」は果たして"学び"なのか?ということについて書いてみたいと思います。 「やられたらやり返す」は正義なのか?学校で教育に携わっていると、いろんなことが起きます。「⚪︎⚪︎が先にやってきた」だの「私はそんなつもりでやってない」だの、本当にたくさんのもめ事が起こります。 個人的には「もめごと」は悪いものではなく、異なる誰かと生き

「休みの日に仕事の連絡してこんといて」と同僚

こんにちは!毎日雨続きの日…この2週間雨が降らなかった日なんてなかったのでは?!というくらい雨が続いています。この時期の気候にはいつまで経っても慣れない私…あぁ、長い時間、太陽が見たい。 さて先日、長期休暇をとっていた同僚の事務員のJanne(仮名)から教職員全員に一斉送信メールが届きました。その内容は「長期休暇を取ってる時に連絡してこないで」というものでした。笑 「オランダらしい文化だぜ〜」と思いながら、彼女の意見にも強く頷いた私。今日はそれについて書きたいと思います。

いじめを"傍観者"で終わらせないためのアクティビティ

こんにちは! 昨日、ショッキングなニュースが流れてきました。個人的にはあまりニュースを自分から閲覧することは控えています。が、今回は自分が現地校で行った内容ともオーバーラップしていたので、立ち止まって読むに至りました。 不登校29万人、いじめ68万件、ともに最多 文科省調査の全容判明朝日新聞の無料記事の部分によると、 と報道されています。いじめの数がすごい。しかも、重大事態(重大の定義が気になるところですが)は923件…これはものすごい数です。 「いじめ防止週間」でちょ

子どもが不必要に学校を欠席したら罰金?

こんにちは!先週とはうって変わって快晴続きの毎日が続いています。最高気温が27度の日もあって、ちょっと暑過ぎる…ほとんどの家庭でクーラーのないこの土地では気温が上昇しても熱を逃がす術があまりありません… さて、最近よく質問として受ける「学校を休むこと」について書きたいと思います。もちろん、ここには不登校という概念も含まれます。タイトルの通り、オランダでは子どもが不必要に学校を欠席した場合、保護者が罰金刑を受けることがあります。そこには、この国が「学校教育」をどのように捉えて

教室から退室を求められる子どもたち

こんにちは!先日、正式に現地校での雇用契約を結んでから初めて1人の授業を担当しました。これまでにもTAという立場でありながら、パートナーの体調不良などで1人で授業をすることは数回ありましたが、今回はちょっとだけ気持ちの部分で違いがありました。 6年生の成績がオランダ全土で上位5%に入る小学校私が勤務する小学校は驚くことに(!)、小6の学業成績がオランダ全土の小学校の中で上位5%に入るそうです。「驚くことに」というのは、完全に私個人の感想というか、「へぇ〜この子たちが…」とい

自分と半径3m以内の人々を幸せにすることから始まる

こんにちは! 8/22〜8/29まで日本から来られた視察参加者の方々と合計6校の小学校を視察して、その後ずっと色んなことを考えていました。今回の企画は私自身がこれから何をしていきたいのか、どんな人間として生きていきたいのか、そんなことを考える機会にもなったように思います。正直、学んだことや得た情報が多すぎてまだまだ脳が混乱している状態です。笑 その中でも、今日は視察先で出会った校長先生たちの在り方について書きたいと思います。 校長先生には「明確な熱い」ビジョンがある今回の

"攻撃性"を持たせない子育てと学校教育

こんにちは!今日は晴れて、いい気持ちの1日が続いています。昨日、娘は学校の友だちのお家で遊ばせてもらい、夕食までご馳走になってきました。昨日の夜ご飯は「チヂミ」と「お米」だったそうなのですが(オランダ家庭にしては何とも珍しい!)、迎えに行くとママが「うちの子たちは本当に食べないんだけど、あの子は美味しい!とおかわりまでしてくれてたわ!…もう大好き!」と言われました。笑 ご飯を「美味しい!」と食べてくれる子どもを大人が好むのは万国共通かもしれません。笑 さて、前回の記事に引