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AO(総合型選抜)入試の勧め5

タイトルは、AO(総合型選抜)の勧めだが、本シリーズでは、+推薦(学校推薦型)入試の勧め、と読み替えて頂きたい。

前回、総合型選抜や推薦入試が勢力を拡大して来た理由二つ目は、経営の問題と申し上げた。

私が高校生の頃は、大学進学者は少なく、高校を出て直ぐに社会人として働くのが主流だった。

その後、専門学校や短大を含め進学するのが主流になり、高卒で就職する生徒が徐々に減って行き、今では進学がメジャー、高卒がマイナーになった。

大学進学のメジャー化とベビーブームに生まれた世代が受験期を迎える時期が重なり、一時期は2番手、3番手グループの大学でさえ、かなり難関化した。

しかしながら、大学や学部の新設が相次ぎ、受験人口も減り、今では狭き門と言う言葉が死語になるほど、一部の高偏差値大学以外は、どんどん難易度が低下して行った。

大学入試の軟化→偏差値の低下→学生の質の低下、に危機感を感じた大学は、AOや推薦入試に活路を見出したのである。

ここでお断りしておくが、偏差値と学生の質とは直接の相関関係は無いと、私は思っている。大麻や性犯罪など、高偏差値大学でも普通に見られるし、あくまで大学側が、そう考えていると言う事だ。

では何故、AOや推薦が偏差値低下を防ぎ、経営を安定化させる切り札になるのか。

図式は簡単だ。
AOや推薦で大量に合格者を出せば、一般入試の枠が少なくなり、倍率は上がり、難易度が上がるからだ。

以前、難易度と倍率は直接関係ないと申し上げた。
これは医学部や高偏差値の大学の話であって、中堅どころの大学では、ボーダー近辺に似通った点数の受験生がひしめきあっており、一般入試の枠を減らす事で簡単に偏差値を上げる事ができるのだ。

また、AOや推薦は辞退率が極めて少なく、確実に読める入学者であり、一部の高偏差値大学以外は、半端なく辞退者が出る一般入試と違って、極めて有り難い受験生なのだ。

つまり、AO、推薦の合格者=ほぼ入学確定者=入学金、前期授業料納付確定者、なのである。

今や、私立大学の入学者の過半数はAO、推薦組であり、最早一般入試よりこちらの方が主流なのだ。

最難関の東大の医学部でさえ、学校選抜型推薦で入学できる時代であり、AO、推薦の選択肢を捨てる事は、最早素手で武器を持った相手と戦うに等しい。

一方、受験生側のメリットは?
次回から、この点についてお話しさせて頂きたい。

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