デンマークの移民2：NGOの役割
デンマークで暮らす移民・難民の中でも、言語や生活において困難を感じる人々は、NGOの支援を受けています。
日本で難民の支援をしているNPO法人としては、難民支援協会（JAR）などが特に有名です。
日本と比べると、デンマークではNPOが果たす役割や、NPOの社会的地位が高いと感じます。
そこで限定的ではありますが、NPOで移民・難民の支援をしている団体で、私が接点を持った団体の活動内容や役割について紹介します。
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目次
・Refugees.dk
・Trampoline house
・DFUNK Madmekka
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Refugees.dk
難民自身や、難民に関心を持つ人々への情報発信を行っています。
私はTrampoline Houseで行われた、Refugees.dkのマネージャーの方によるデンマークの難民制度のレクチャーに参加しました。参加者は学生が多かったですが、支援者の方や一般の方もいたように思います。
HPでは、デンマークの難民認定制度や受け入れの現状といった、調査や難民自身の参考になる情報や、難民当事者へのインタビュー、受け入れセンターの状況などについて、最新の情報や生の声を紹介しています。
デンマークに住む難民の方々がおかれる厳しい状況について、数値や法律・体験談を通して具体的に理解することができます。
Trampoline House
HP:
https://www.trampolinehouse.dk/home-en
コペンハーゲンの中でも移民の人が多く暮らす人々が住む地区にあるコミュニティハウスで、庇護申請者や難民の方々が集まる場となっています。
ハウスの中は、複数の教室や子供の遊び場、カフェやラウンジになっており、多くの人が集まって話をして、様々な言語が飛び交っています。
初めて入ったときは、まるでデンマーク以外の国に迷い込んだような感じで一瞬戸惑いましたが、スタッフの方に”welcome!” と温かく迎えていただいたのが印象的でした。
毎日様々なイベントが開催されており、難民の方々に向けては言語・法律・健康などに関するレクチャー、無料の食事、仕事探しの手伝い、チャイルドケア、ワークショップなどが提供されています。金曜にはデンマークらしくパーティーも開かれるそう。デンマークで生きていくための知識と技能を身に付ける場であり、それを可能にするための生活支援の場であり、憩いの場ともなっているのがハウスです。
また難民に関心を持つ人々に対しても、私が参加したような難民制度に関するレクチャーや、展示、映画上映といった、難民に対する理解を助けたり当事者との距離を縮めたりする企画を行っています。ボランティアやインターンシップといった活動も可能です。
DFUNK Madmekka (Food Mekka)
DFUNKという団体が、毎週月曜日に教会でディナーパーティーを開いています。
参加者はデンマークに移民してきた方々や、彼らとの交流に興味がある人々で、私が参加したときは30人程度がいたように思います。
夕方から集まってしばらくおしゃべりしたあと、夕食のメニューを決めて買い出しに出かけて、みんなで協力して食材を準備して調理して、7時ごろから夕食を食べ、食事のあとはダンスやゲームを楽しみます。
参加者はシリア・イラン・アフガニスタンなどの中東系の人々、アルゼンチンなど南米、イタリアなど他のヨーロッパからの人もおり、とてもインターナショナル。しかし、数年デンマークに住んでいる人も多く、お互いに流暢なデンマーク語で会話をしていました。
話を聞くとデンマークでの生活に何かしら苦労がある人も多く、参加者にとってディナーは、新たな人々と出会ったり、会話を楽しんだり、フリースクール等の情報を得たり、デンマーク語を学んだりという、食事以上に学びや安らぎといった意味を持つ場だということがわかりました。
終わりに
デンマークは移民・難民することが制度上難しくなってきていますが、その中でNPO法人が個々人としての移民と向き合い、交流や学びの場を設けることで、デンマーク社会や出身国以外の人々との接点を作り、生活者としての移民を支えていることがわかります。
移民・難民である彼らはデンマークに住みたいと思っているし、できることならデンマーク社会に溶け込みたいと思っている。自分の文化を保つことや移民同士で交流することは、デンマーク社会を拒絶していることにはならない。危険でデンマークにとってお荷物な貧困移民という制度や法が描く移民像は決してリアルなものではない。NPOからの情報や実際の交流を通して、そんなことを思いました。
#デンマーク #移民
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