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オランダ人の人生相談⑥:同乗者の罰金

週末だけ購読している地方紙『Eindhoven Dagblad(アイントホーフェン日報)』についてくる小冊子『ED Magazine』に、人生相談が載っている。俳優のヨースト・プリンセンさん(77歳)が毎週2人の読者の人生相談に答えるというもので、相談が独特にオランダっぽいうえに、プリンセンさんの回答が味わい深く、毎週楽しみに読んでいる。その中から、面白いものを紹介していこう。

Q:いつものように、私は女友達とある都市を訪れました。彼女の車で。どうやら彼女は駐車してはいけないところに車を停めてしまったようで、後日、郵送で彼女のところに罰金通知が送られてきました。彼女は私に罰金を半分支払ってほしいと言っていますが、私はフェアじゃないと思っています。彼女が車を運転していたのだから、私はあまり注意していませんでした。だから、どうすればいいのか迷っています。あなたはどう思われますか?

A:「支払う」対「支払わない」で、あらゆる側面を見てみましょう。醜さはさておき、徹底調査です。私はこの案件を3つの側面に区別してみます。

まずは法的な側面から。この新聞社の弁護士に確認したわけではありませんが、私の感覚で言うと、あなたは支払いを強制されません。車の名義はあなたの友達の名前でしょうし、とにかくあなたの名義じゃありません。そして違法駐車したのも彼女であり、あなたではありません。「支払う」対「支払わない」は「1対0」となります。

次に倫理的な観点から。あなたは車での移動を享受しました。行きも帰りも公共交通機関を使う必要がなかったし、その遠出を友達と一緒に楽しんだ。罰金を一部負担するのは、無理な話ではないように思えます。そうでないと、あなたはベッドに寝ていたいでしょう。「支払う」対「支払わない」は「1対1」となります。

最後に現実的な側面。この問題の本質は何でしょうか?60ユーロの罰金でしょうか?1人30ユーロ?残りの人生、あなたは本当にこの30ユーロを友達との間にくすぶらせ続けなければならないのですか?あなたの友達は、本当にあなたのことを罰金の負担を頼めないような欲深い人と考え始めなければならないんですか?30ユーロのために?原則的にそうしますか?実際、私はあなたが罰金を払うべきか迷っていることについて怒ってますよ。

最終結果は「2対1」で「支払う」の勝ち。支払いなさいよ。

私の感想:この場合、一緒に罰金を負担するのが日本では一般的だろうなあ…と思ったけれども、合理的で個人主義のオランダ人はどう考えるのか興味があった。オランダ人も同じ感覚のようで、ちょっと安心した。

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