秋のみの限定品/あともう少しでなくなってしまう食材 “いくら”
秋が深まる11月、これからやってくる冬に備えた養生をしたい月であり、
ゆずに引き続き、秋の味覚であるいくらを自家製で醤油漬けにするなど、自分自身の「秋の食の楽しみ」を作りたい季節です。
今日お届けする、季節の手仕事は「いくらの醤油漬け」!
回るお寿司屋さんも、回らないお寿司屋さんも、「いくら!」と伝えれば、
酢飯に乗って、多くは軍艦巻きとなって手元にやってきます。
一年中。
しかし、知らない方が多い事実なのですが、
鮭は秋しか卵を持ちません。
ですので、春や夏に食べるあれらは、実はお寿司屋さんが秋に仕込んで冷凍保存していたものなのです。
鮭の卵を食べる文化は、ロシアから伝わった説が濃く、ロシア語で魚卵のことを総じて「ikra」と呼ぶそうです。ただ、鮮度重視で生食する文化の強い国だからか、日本では国産の生筋子以外は見かけません。
さて、その、鮭の卵は、卵巣膜に包まれて「筋子」という名前で売られています。
筋子が売られているのを見かけたことはあるけど、スーパーで素通りしていた!とおっしゃる方が意外に多いのですが、
ぜひ、ここでお伝えする漬けだれを用意して、「生筋子」を買いに行ってください。
3時間後からおいしすぎてほっぺが落ちそうな「いくらの醤油漬け」が楽しめます。
そしてこの手仕事は食べるのが楽しみなだけではなくて、作業もとっても楽しいんですよ!お子さんいらっしゃる方は、ぜひお子さんと作業してみてください。思い出となるばかりでなく、「日本の旬を知り、素材を知る」食育となること間違いなしです。
さて、気になる栄養成分について、
いくらの主成分はタンパク質、そしてビタミンミネラル類ではA、D
Eとなっています。
Aは約50gで1日推奨摂取量を超えます。Dについては約20gで、Eについては約75gで1日推奨摂取量となる計算ができます。
ただ、やはり、食事というのは、バランスです。
生食、加熱食、穀物、緑黄色野菜、根菜、きのこ、実物(ナッツや胡麻など)、果物をバランスよく摂ることが一番です。
1食でそれを叶えようとするとかなり献立組みを圧迫するので、1〜2日、つまり3〜6食でそれらをバランスよく摂ろう!という目標がいいと思います。
または、肉、魚、肉、魚、と、夕飯の献立を交互にするのもおすすめです。
さて、話を戻しますが、いくらの醤油漬けを作ったら、まず第一に食べたいのはやはり、いくらご飯!
炊き立てのごはんの上に、自家製だからこそ贅沢にたっぷりとかけていただきましょう!
その時、ひとてまかけてゆずの皮を削ってあげると、ゆずの香りが爽やかに抜け、いくらのぷちぷち弾けた後、まったりと溶け出す食感に余韻としてのコントラストを与えてくれ、感動の体験になると思うので、ぜひ、ゆずも購入して挑んでください。
ゆずは、いくらご飯には皮だけしか使わないので、余る中身を有効活用すべく、
「ゆず果汁を使ったすし酢」のレシピも次号で載せておきますので、いくらに皮を使い、果汁はすし酢にして使い切ってください。
すし酢は、ご飯と合わせるだけではなく、茗荷や蓮根、人参の銀杏切りなどをつけてもとっても美味しいので、ぜひお試しください!
「いくらご飯、蓮根と人参のすまし汁、茗荷の甘酢漬け」なんていう献立はいかがでしょう。
翌日は、蓮根と人参を甘酢漬けにして酢飯に合わせ、いくら乗っけちらし寿司を中心にするのもいいかも。
副菜には、小松菜ときのこのお浸しなんかもいいですね。
根菜に多く含まれる食物繊維は腸の善玉菌を増やし、腸内のお掃除をしてくれますし、秋冬は根っこ野菜がたくさん登場しますので、上手に取り入れて美肌や腸活に活用してください。
ただし、この季節は特に冷たい飲み物を避けて、胃腸が冷えてしまうのを防ぎ、その上でしっかりといい油を摂って食物繊維を摂ることが重要です。
胃腸が冷えれば運動ができなくなり、腹痛を招くことになりかねず、油が不足している状態で食物繊維を摂り過ぎると、流れが悪くなって負担が大きいのです。
いろいろなお話を一気にお伝えしてしまいましたが、
一つ二つでも、参考にして日々の生活が楽しくなったなら本望です。
それでは、レシピです。
ここから先は
HITOTEMA倶楽部
「HITOTEMA」は、2014年にスタートした渋谷区にある週一回のみオープンするレストラン。そんな変わった業態でお店を続ける中で、お客様…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?