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行動様式の激変期に向けて保険代理店と募集人は何をしておくべきか。

損害保険の課題について、昨年も少し触れましたが、今年は損害保険の行動様式が一気に変わっていく元年となるでしょう。

各社の改善計画がどこまで進むかはわかりませんが、明確に代理店には自立と自律を促す施策へ大幅に重心を移すであろうと推察されます。

今までの商習慣において、特に保険は1996年の金融ビッグバンまで護送船団方式と言われ、同一条件、価格であり差別化をするのが商品以外の部分/主にチャネルの拡充だったことが挙げられます。その際により連携を強化していくための販売支援だったり、出向者による実務負担の軽減などが競争戦略の部分で重要だったからです。
このような施策は、保険料が自由化された後も続き、30年が経過しようとしている今、3つの要因で課題があったと考えています。

1つは業界の成熟期にあたり、投資効果に対して売上も利益も成長をしなくなったこと。

2つめは既存の優位性であった多くの代理店チャネルがさまざまな理由で劣後するようになってきたこと。

3つめはグローバル化、海外投資家によるコーポレートガバナンスが格段に進んだこと

詳しくは割愛しますが、外部環境の変化が素早く、大きく変わっているなあで、業界全体が内部環境をうまく変化できず先送りにしていたことが要因です。

何度も叫ばれていた代理店の自立と自律は、保険会社が考えるそれと保険代理店が考えるそれとは違ってるはずです。

その差を何で埋めていくか、お互いに広げた風呂敷には現在重ならず
、むしろお前の風呂敷をこっちに寄せろ、とまるで綱引きをしているような状況です。

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・保険会社=この商品をとにかく販売してこい、Xxを導入しろ、Xxまでにしろなど。

・保険代理店=ポイント制度を改悪するな。Xxを支援しろ。Xxがないと売らないぞ。

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ところが、新聞の記事もそうなのですが、ここに本来いるべきお客様は全く不在です。

本来保険ができた背景はなんだったのでしょうか。

近代保険を紹介したのは福沢諭吉、そして渋沢栄一は直接関わったものだけで19社、その後進会社は27社に上るそうです。最初の損害保険会社である東京海上日動はもちろん、海上保険、火災保険、生命保険、徴兵保険、傷害保険、海上再保険など種類も多様なものを時代、社会の様々なニーズを掬い上げ、人々のリスク低減のために力を尽くした、とあります。

"危険は個人が単独で蒙れば大変な脅威である。しかし、多数の者が保険加入者になり、少数の危険を皆で分担すれば、危険は消滅する。海上保険事業はその仲介者である"

保険の原点、相互扶助の精神と公益性から鑑みた想いがありました。

関東大震災の時も、80歳を超えていたにもかかわらず、地震における免責条項を東京復興のために政府にも掛け合ったりしていた精神。"論語と算盤"にもある"道徳なくして経済なし。経済なくして道徳なし。"

それそれの立ち位置があるのはよく分かりますが、よりよく社会がなるためにやるべきこと、できることをそれぞれする、自立と自律=論語と算盤に全員が向かうことが顧客のためにもなるのではないかと考えています。いずれにせよ、大きな行動様式の変化が次の新たな30年を創っていくと思います。

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