2023年の保険業界を(少し早いけど)日経の記事とともに振り返る

保険業界の業績について

 各保険会社。コロナの最後の給付が一段楽した様子。第一生命がトップに復活しましたね。保険金みなし入院の廃止したこと、営業活動が再開されたこと、金利上昇と為替、運用益なども鑑みると、下期は各社非常にいい決算が出る?かもしれません。

保険業界の人材採用他

 人材採用難から各社採用に対しての待遇も改善に。今越は11月=保険月ということもあり、追い込みだけでなく採用活動を街中でされる方々も多くいらっしゃいます。昔は魚も保険も採用もたくさんとれたのに…とは某保険会社の役員様のお言葉…

営業手法も従来から変えたり変えなかったり…ノルマという言葉が一人歩きした記事もありました…


外貨保険販売について

(銀行・証券会社と生命保険会社双方)金融庁から発信されている保険モニタリングレポートにもしっかりと記載されている外貨保険。金利の上昇と為替による影響から一時払保険の売れ行きが非常に好調。"貯蓄から投資"へという流れとは違う傍流ですが、確定して資金を置いておきたいというニーズは堅調のようです。(どんどんトーンが強くなってる)

保険会社の動きで気になったもの

 朝日生命がベトナムに進出とのこと。まずはテレマでスタート?どこと組んでやっているのか。
 ソニー生命も元金融庁長官である遠藤さんがFGの経営者となり、生命の社長も交代ということで、女性を圧倒的に増やしていく方針を打ち出されています。住友生命との連携も順調のよう。

 過去同じ会社だったプルデンシャルはプルデンシャルジブラルタエージェンシー(PGA)意外にソナミナを新設し、代理店ビジネスに参入されています。大手資本が代理店の経営から撤退することもある中でどうハンドリングするのかこちらも注目です。

 ライフネット生命は単独での拡大方針を変更し、OLIVEの連携を戦略の軸にする三井住友Gとじぶん銀行の団信を中心としたauフィナンシャルホールディングスからの増資を受けるとともに、乗合代理店のチャネル開拓も力を入れる模様です。

 T&Dは流石の独自戦略。チャネルよりも自社と他社のリスクポートフォリオのDDや入れ替えの提案で利益率を上げていく戦略ですね。2025年始まる29年ぶりの見直しされる資本規制対応も見越した動きも睨んだ感じでしょうか…

AI

 業務にAIを使う会社も増えてきました。主にPoCから少しだけ進んだ、というレベルかもしれませんが、使用用途は社内に限った利用をしているところが大半かもしれません。スタートアップの中では積極的に導入を促進しているところが多いようですが、なかなか社外向けのサービスに組み込めているところで成果が出ているところはないのが現状です。(今仕込んでいるものがしっかり検証できれば提供できるよう頑張りたい!)

DX

 DXは多くの企業で進みました。火災保険や医療保険の請求については、非対面の手続きができるところが増え、利便性が高まっています。
 変額系の保険の申し込みも小口で加入ができるようになったり(対面チャネルはエクセルで設計しなければならないという謎が残るものの)消費者の利便性は上がっているように見えます。

共同保険

 シェアインという言葉を知ったのは10年以上前。大きな付保を1社では引き受けられないというのが始まり、というストーリーに感動した覚えがあり非常に便利だなと感じた仕組みでした。各企業もリスクマネジメントの機能を自社でしっかりと持たなければならないがそんな専門性が…といった中での合わせて読んでおきたいリスクマネージャーの話もあって本件については今後もウォッチしていきたいです。特にインハウスのリスクマネージャーの需要は、今後ブローカーも合わせて激烈にニーズが上がりそうです。マーシュもエムエスティ保険サービスと一緒にさっと合弁を作るあたりはさすがです。MUFGグループでどのくらい力を入れて販売していくのか注目です。

BM社に端を発したモーター代理店の不適切事案

 モーター代理店も自賠責〜自動車保険の流れのなかで不正請求があったことが次々と明るみに出てきています。改正保険業法で制定された意向把握や情報提供義務などの募集管理で課題に上がっている損保の募集についてもより厳格化されることは間違いないですね。

チャネル/乗合代理店における状況

 三井住友/Oliveの動きが最も大きそうです。先にも述べましたが、ライフネットへの出資〜住友生命との共同のビジネス戦術など、若い会員に向けた金融サービスをオンライン中心で完結させようという並々ならぬ力の入れようです。PayPayには好き勝手やらせないぞ、という覚悟がすごい…(でも本当にすごいのはその裏にいる住友生命だと思っているのは内緒…)これに呼応するように、イオンやセブンも金融事業を再編し、生活圏消費を取り巻くスーパーアプリ競争は来年から本格化しそう。

 オフライン戦略の一環として戦術的に組まれているFPパートナーもプライム市場に変更され、今後ますますチャネルの連携が進みそう…

私見ですが、金融ショップはストアやマイクロ店舗でなく、Xxxxになったらいいと思っているのですがその構想はまた今度。

 損保代理店のロールアップも地銀が主体的に取り組んでいたりと、今後地域を超えたロールアップも本腰が入りそうですね。

海外

 直近の動きですとバフェットさんがマーシュが売られちゃったのが気になります。ブローカーは今がてっぺんということでしょうか…引受なども各社しなくなっており、多くの保険会社が苦境に陥っているようです。温暖化怖い…

がんが治る

 今年は癌治療がすごく進んだ一年?のように聞こえました。身の回りでも新たな治療方法にトライされている方が多く(すごい水から最新の治験まで)今後は治る病気として当たり前になるんだろうなと思ったり。一方で費用は高額化していくのでそのあたり現在の社会保障制度/健保組合なんぞは大丈夫なんかい、と思っています。とりあえずがん保険がいらなくなる、という短絡的な話ではございません。

新NISA

 メリットをしっかりと理解してから投資は始めましょう。パッシブETFだけ買っておけばOKという今までの戦略が当たるかどうかはわかりません。

スタートアップの動き/インシュアテックは?

 保険契約の買取スタートアップであるライフシオンさん(社長は元金融庁の我妻さん)が事業開始。リビニングニーズでは対応できないけど…というようなステージの方に向けたサービスでニーズは比較的あると思います。USだととある会社の推察だと$4.6bilというマーケットサイズ(大きい!)日本は保険契約を売買する、という行為がどれだけ受けいられるかわかりませんが期待!リバースモーゲージも件数はそこまで進んでいないことからどのくらい増えるのか引き続き。
 インシュアテックではhokanがAPAC100に選ばれましたが、なんとなくUS含む世界のそれとは〇が違う…がんばるぞ!
 ソフトバンクもインシュアテックに投資を再開したようで、冬の時代終わるか?と思ったり。実際にUSのインシュアテックはIPO後散々な状況ですが、直近のLMNDの決算で株価は反発。このまま上がるでしょうか…

自動車保険について

 自動車保険はコロナ明けもあり、活動が活発化したようで事故率も上がり?来年以降で各社保険料が上がる様子です。ABSなど車の安全性能が上がっていることも鑑みると安くなって欲しいものの、高級車の登場、事故率の上昇で保険料は高くなっていきそう。
 テスラも自動車保険をマージしていくと宣言していますが、日本においては事故率が高く、保険料がバカ高い!とXなどのSNSで騒がれています。EV特有の電池切れに向けたロードサービスなども合わせて今後はFEVOWで発信していきたいと思っています。

システム会社様は堅調

 システム会社はDX需要もあってか引き続き堅調。全銀ネットのシステム不具合が大騒ぎになりましたは、保険業界のシステムも課題はありつつ、事業サイドはしっかりと業績が伸びています。大中小開発保守ニーズは引き続き旺盛です。

というわけで、つらつらと書きましたが、今年の保険業界の10ヶ月を日経の記事とともに振り返りました。年内もあと50日ちょっと。やり残したことがないように頑張っていきます〜。


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