見出し画像

乗合保険代理店に行けば売れるだろ、と思っている人に向けて読んでおいて欲しいこと

2009年の3月にプルデンシャル生命に入社して、2013年4月にやめてファイナンシャル・ジャパンを立ち上げてもうかれこれ13年経つじゃん...光陰矢の如し。

最近多くの保険営業の方から今まで以上にご相談をいただく機会が増えており、でも時間があんまり取れないこともあり、とりあえず自分のポジションをきちんと発信しておこうと思いましたのでこれ読めば保険代理店の選び方+事前の心構え=自分の身の振り方のヒントになるかなと思ったのでまとめておきます。(乗合保険代理店の説明については割愛します/検索してみてください)

たくさんの保険会社の発売されている保険から最適なものを選んでお客様に提供できる、という非常に耳障りのよい営業トークは多くの顧客はもちろん、多くの一社専属の保険営業の方、もしくは専属の代理店の方に刺さります。

保険営業の多くは見込み客の発見に苦労しますし、商談の席についていただいた時でも、他社よりも商品が劣後している中でそれをなんとか顧客に販売してこようとする営業行為自体に病んでしまう営業の方は少なくないようです。(ニード喚起をしてくれたからそこにありがたみを感じてあなたから購入する、という人もいますし、その後提案された商品を検索してみて、もしくは保険の〇〇などに持ち込んでみて同じような商品がどのくらいの価格ななのか?などは当たり前のようにチェックする、という要な人もいます)

お客様はあなたが提案した保険という仕組みや解決策を採用しなかっただけにもかかわらず、あたかも自分自身を否定されてしまったかのように思い、絶望の淵に追い詰められ、自分という価値が無になるような感情に日々苛まれるような状況になることもしばしばあるようです。

商品を比較したら他社の方が良かった。
こちらの方が安いけどどうですか?
損保の相談がしたかったんです(生保営業)。
こんな断り文句が日々繰り返され、今の自分では提案できない、しかも仕事にならない…今月の稼ぎはサラリーマン時代の月収をの半分をどうやっても超えない…

転職する時は絶対に成功してやる!と意気込んでいたのに転生したらスライムだった漫画を時間潰しに漫画喫茶で読んでいる日々、そんな方が多く見受けられるような業界の負の部分もたくさんみてきました。

そんな中、「複数、例えば数十社以上の会社のいいとこ取りをしてお客様に提案できて喜んでもらえる」「簡単に決まる」「損保も取り扱え提案の幅が広がる」などを聞いたら「やらない理由がないのでは…自分もモテモテの保険営業になるかも」と思うでしょう。

ハードルとしては「この仕事を一生の仕事にするんだ!」という刷り込みがありますからそことどう折り合いをつけるか、お客様にどう言おうか、など悩む方はいらっしゃるようですがその問題は後日にでも。

確かに取り扱える商品数で救われる人もいますが、いくら取り扱えるようになってもそれだけでは売れるようにはなりません。

非常に大きなきっかけ、触媒にはなるかもしれません。しかし結局多くの商品が取り扱えるようになる=非常に多くの保険商品の勉強をしなければならなくなる、ということです。

私が一社専属の時にでも商品はもちろんのこと、社会保険の知識や隣接業界の知識、税制なども含めてとても多くの情報を仕入れ、処理しなければなりませんでした。

情熱に燃えて一人でも多くのお客様に保険をお届けするんだ、と意気込んでいた時には必読書の保険税務のすべての存在など知りませんでした。

令和3年度版 保険税務のすべて
www.shinnihon-ins.co.jp

税制も、商品も全て変わります。

なぜ代理店はTOTが多いんだろうか...凄すぎる。20代なんとかCOTに届きそうな時に藁をもすがるために多額の金額をかけて研修会などに参加しました。そこで解説されたのはGHTやMHPといういわゆる法人への保険提案などが主でした。(説明は割愛)

金融庁、節税保険で3社に報告命令 マニュライフは検査
行き過ぎた節税が問題となってきた「節税保険」を巡り、金融庁がエヌエヌ生命保険など生命保険3社に保険業法に基づく報告徴求命令
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB176710X10C22A2000000/

そんな代理店で多く販売されていた保険も規制がかかり、この手の保険を多額に販売していた「節税おじさん」と揶揄される方々や会計事務所などは今後の対応をどうするか顧客対応に腐心されています。

残ったオアシスであるハーフタックスは予定利率の低下、雇用の流動化や退職金は確定拠出年金で行いましょう、という提案に加え、各社開発、販売している”変額有期”の商品へのクレーム次第?でメスが入れば即終了でしょうし

相続と事業承継という非常に難しい市場に多くの人が舵を切ろうにもとても繊細かつ相続人/被相続人との感情に向かいつつ、多くの情報や事例、経験をを専門家と言われるまで最低限積んでおく必要性があるとすると安易に参入できるものではありません。

代理店では保険募集手数料も各社バラバラです。また頻繁に精度が変わり多数の保険会社の全体の数字を達成することも至難の技です。

気軽に参入して稼げる、そんな業種ではなくなっているということをご理解していただいた上で”ではどうすればいいか”という具体例をお伝えします。ポイントはたった一つだけで、

”ちゃんとする”
ということですね。

辞書を調べてみると

1 少しも乱れがなく、よく整っているさま。「部屋の中を―かたづける」「いつも―した身なりをしている」

2 確実で間違いのないさま。「言われたことは―やる」「―した職業につく」

3 結果が十分であるさま。「朝食は―食べてくる」

4 すばやく動作をするさま。さっと。

と記されています。

保険営業に具体的に落とし込んでみると

1.守べき法令を守る(個人情報保護法、保険業法、保険法、FD宣言、情報提供義務、意向把握、他)適切な量の顧客との面談(活動量)

2.適切な量の顧客との面談(活動量)

3.十分な情報(時事や周辺領域)の獲得と学習

ごくごく当たり前のようですが、代理店に出てみてわかることは締め付けはほとんどのところで保険会社のそれよりも自由です。が故に基本的なことを注意してくれる会社は少ないでしょう。ある意味その辺りは自分で責任とってね、という方が多く、また情報は与えられるものから自分で取りにいくという姿勢がそれまで以上に求められるかもしれません。が故に非常に甲乙がつきやすいです。

代理店に移籍しても失敗した、という事例も多くあります。その理由の一つはご自身の意識と行動が変わっていないということが多いように思います。それ以外にも簡単なチェックポイントとして私見としてまとめてみました。

□経営者が保険募集をしているかどうか

(私は経営をするにあたり、保険募集をしていると社内の整備が全く追いつかなかったので強制的にやめました。店主が募集しているところはある意味募集の最新情報が得られるかもしれませんが番頭さんなどがキチンと管理できる人がいる、などチェックしてみてはどうでしょうか)

□ペーパレスに対しての考え方と実施率
(今保険会社から代理店に求められている事項として申し込みのペーパレス化などが重要な指標の一つになっています。ペーパレスがなかなかできていない代理店はこれからさらに劣後していく可能性があります)

□営業管理/コンプライアンスの部署と運営

(営業管理は募集人の資格管理や報酬管理が主な仕事になります。独立してあることで定期的な募集人コード/契約などのメンテナンスや損保を取り扱うようでしたらここは非常に重要になるでしょう。またコンプライアンスは非常に重要視され、厳しくなるのは不可逆だと思いますのでそちらに注力できない代理店は淘汰される可能性があります)

□自分の知り合いが複数いて成績が出ている/雰囲気が良い=よい管理者がいる

(労働集約型のビジネスにおいて半径数メートルの人間関係は非常に重要だと考えています。同じ働く環境に触れ合ってみて社内がいい雰囲気かどうか、は自分がそこでFitするかどうか、という大切な指標だと思います。会社説明会だけ聞いてみて意思決定してみて実際に配属されると地獄だった、というケースも多く聞きます。ぜひ職場の見学を必ず行ってみてください)

□代理店として成長しているかどうか/成長性はあるか/差別化はできそうか

(少なくとも自分がその会社の名刺で営業をすることになりますのでプライドを持って働けるかどうか、はできればあったほうがいいと考えます。後ろめたい気持ちで名刺を出さなければいけない経験はあまりいいものではありません。一方で成長している、自分のブランド含め差別化できそう、という考えが実行に移せそうでしたらいいでしょう。自分が頑張れる環境を選ぶという観点でもみてみてください。)

以上春になり人事異動も多くある中でもう一度大切な自分の人生をどこで過ごすのか、において少しでもヒントになれれば幸いです。

個別の相談などがありましたらDMでも開放しておりますのでなんなりと。


では良い年度末をお迎えください。

2022年3月17日追記/メモ

スクリーンショット 2022-03-17 13.59.13

図解にするとこんな感じですかね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?