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#何が正解なのかわからない official

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2020年4月8日〜6月1日、緊急事態宣言下での飲食店店主たち34人の記録です。感染状況も、行政の指針も日々刻々と変化するなか、平均1.6日に1人、限りなくリアルタイムで掲載しま… もっと読む
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#居酒屋

「葡呑」中湊 茂さん、5月19日の答。

―小さく営業― 「葡吞(ぶのん)」の厨房にはどこでもドアがある。そう噂されるくらい、いつの間にか地球のどこかに飛んでいる店主、中湊 茂さん。「時間もお金も、人に会うということ以外に遣う意味はない」を信条とする人が、どこでもドアを使えなくなった、今。 店が鳴っているような感覚「葡呑」は本来〝密〟なんです。密集というよりも、熱量の濃密さというか。たとえば会社員のグループが楽しく吞むような早い時間から、飲食店やワインのインポーターなど食の玄人、海外のゲストが続々とやってくる深夜

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「荒木町 きんつぎ」佐藤正規さん、5月15日の答。

―要請に準じた通常営業― 2018年7月に開店して、もうすぐ2周年。「荒木町 きんつぎ」は、アイデア溢れる和食と日本酒で荒木町に新風を吹き込んだ。飲食店が必要とされる今と未来を疑わない、1986年生まれの店主が選んだ答は「通常営業」。 自分たち以外の理由で売上が落ちること僕らはテイクアウト、デリバリーなどは一切していません。 「通常営業が営業だ」という気持ちを強く持っているので、これまでイベントなどのお誘いも辞退してきました。 そんなことは言っていられない非常事態かもしれ

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「高太郎」林 高太郎さん、4月28日の答。

―昼吞み、夕吞み― 渋谷といっても、住宅街の桜ヶ丘。静かな路地にありながら、夜遅くまで人の絶えない居酒屋「高太郎」。店主の林 高太郎さんは2週間の休業を経て、4月23日に再開。夜の居酒屋から一転して、14時開店の2部制へ。都の要請による営業時間の制約から、昼吞み/夕吞みの新しい形が生まれた。 予約帳の名前を一つずつ消していく 「高太郎」は2011年3月29日に開店して、2020年で9周年を迎えました。27日までコロナの影響はほぼなくて、むしろお祝い週間で2回転目もずっと忙

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「オトナノイザカヤ中戸川」中戸川 弾さん、4月23日の答。

―お持ち帰り「オウチデ イザカヤ ナカトガワ」― イタリア料理と和食の要素を併せ持つ「オトナノイザカヤ中戸川」と、姉妹店の和食「キガルニワショク弾」。今、二つの店が一つになって、お持ち帰り専門店「オウチデ イザカヤ ナカトガワ」になっている。みんなの「ちょっとこうしてほしい」に寛容な中戸川弾さんと、そのチームの在り方は、持ち帰りでも健在だ。 3月最終週、急ブレーキがかかった 異変を感じたのは2月後半。3名以上のグループから、キャンセルが増えていきました。3月になると事前予

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「酒井商会」酒井英彰さん、4月11日の答。

―縮小営業さえできなくなった今― 東京都が、居酒屋を含む飲食店に対して「営業時間を5〜20時、お酒の提供は19時まで」と要請したのは4月10日。しかし休業要請ではない。 世間では「これは朝酒、昼酒の推奨か」とも揶揄されたこの要請に、最も打撃を受けるのは当然、酒場だ。 その居酒屋であり、若者たちの〝密〟が危惧されている渋谷にある「酒井商会」。店主の酒井英彰さんはこの制限をどう受け止め、切り抜けるのか、要請発表の翌日に訊いた。 志村けんさんの訃報を機に実質、夜の営業ができない

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