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15年ほど前の話だが、某雑誌が大々的なピッツァ特集を組んだ。 企画を提案したのは女性編集者。東京中のピッツァをしらみ潰しに食べて調査するという、神がかった情熱を燃やしていた彼女にはこんな理由があった。 「私の母の思い出の味、いわゆるお袋の味がピザなんです」 お母さんが生地を練って寝かせて丸く延ばしてオーブンで焼く、本気のピザだったそうだ。 ここで呼び名の違いにお気づきかもしれないが、雑誌で特集したのは「ピッツァ」、彼女の母が作ったのは「ピザ」である。 どちらもPIZZAで