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第二の人生へのライフシフトは、早いがいい。

49歳。

来月、はじめてのスウェーデン織の作品展をする。
作家として初のデビューだ。

作家・・・(笑)

退職してちょうど5年。44歳で日本郵便を退職するとき、まさか5年後に自らを作家と言う日がくるなんて夢にも思っていなかった。
元霞ヶ関キャリア官僚。大企業の経営企画部・担当部長。鎌倉局長。

ライフワークと定めた、なんとも自分にフィットする、スウェーデン織。
ひたすら、好きだ。
これは生涯、続けていける。
そんな風にはじめて思った、手仕事である。


1 第二の人生へのライフシフトは、早いがいい。

やってみて思う。

【第二の人生へのライフシフトは、早いがいい。】

なぜならば、ライフシフトには、時間がかかるからだ。
なぜならば、ライフシフトには、思ってもみなかった世界がひろがるからだ。

今回の、私の作家デビューまでの道のり。

5年前:2016.11 退職

いろいろなことをやってみる。

3年前:2018.8  スウェーデン織ワークショップで、織を体験する。

2年半前:2019.5  娘の大学受験が終わり、教室で習いはじめる。

2年間学ぶ。

2021.3〜:約6ヶ月、独学でひたすら織り続ける。

2021.12 作品展開催

どうだろう。
5年かかっている。
これでも相当、早いぐらいではないだろうか?

1)自分がやってみたい、これだ!と思う領域に出会うこと。
2)一から学ぶこと。
3)小さな生業(なりわい)とすること。


ライフシフトには時間がかかる。
3〜5年は絶対にかかる。むしろ、それでも早いぐらいだ。

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2 Youはどうして独学へ?
  (日本社会の学びと50歳)


2年間スウェーデン織の教室で学んでいた。

足元の1年。コロナで、世の中と人へのネガティブな雑談が、教室で増えていた。「スウェーデン織は好きなんだけど、この空気の中にはもう長く居続けられないかもしれない。。。」と感じた私は、大好きな織に向き合い続けるために下手でもなんでも「練習展としての、個展をやろう!」と決めた。

たった2年の学びごときで「個展をやりたい」と言い出した私に、70代の織の先生はそりゃあもう超フキゲンになった。毎週、毎週、訪れるたびにフキゲンが増していく。言葉にはされないが、全身から私への忌避エネルギーが満ち溢れている。その横で1日織るのは正直厳しい。。。。と思っていたとき、たまたま家庭の事情が重なり、教室をお休みせざるをえなくなった。

イヤオウナシの独学コースまっしぐらである 笑笑

日本の習い事。
「10年やって、一通りコースが終わったわね♪」とされる教室がある。
「30年やると、師範になれる」のが茶道である。
「8年やって、先生の作品展に2−3作品だけ出している」一番うまい先輩がいる。

日本の"道"は、はるか長い。
そりゃ2年で個展をやるのは、上の世代には、常識ハズレもいいところなのだ。

でもねえ。
わたしほぼ50歳ですよ。
ここから10年やって、はじめての個展だと60歳ですよ。
50と60と70歳では、作るものも、描く世界も、まったく違う。

どんだけ49歳にもなって、70代にこれだけフキゲンされねばならんねん・・・。

と、日本社会の縮図をみるおもいがしたのは、さておき。

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3 自分の足で立つ。腹をくくった、独学の道


教室をやめさせていただいたことに、いまでは心からの感謝しかない。
人にはこういうキッカケが必要なのだ。

ま、実際のところ、半泣きになりつつも
「独学で、個展をやる。」と腹をくくったことは、とても大きい。

自分の足で立ち、人に恥ずかしくないものを。
人にお金を払っていただくのに見合う、ふさわしいものを。

それは、教室で学んでいたときとは、まったく違う時間をうみだした。

1作品1作品。
1本1本への覚悟が違う。

糸も、織ってみたいものを、ぜんぶ織ってみる。
習い事ならお金をセーブして、1色か2色だけとかだけど。
プロは糸を知るべきだ。ならば、知りたい糸をぜんぶ試してみる。
何十万円分かの糸を買い、糸を知り、糸と仲良くなる。

企画やデザイン、設計のフェーズは、すべて独学。
教室では技術の基本は学んだけれど、創作については一切教わってはいない。
織での創作の要となる計画書の書き方を、コツコツ時間をかけ
ゼロから、本を片手に自分で学ぶ。

よきデザインたちに触れてみる。
日本の本はもとより。インスタも。
北欧やアメリカから取り寄せた本たち。世界で一番良き本たちを。
独学だもの。本気だもの。

朝から晩まで、ひたすら織る。
織りすぎて、ひどい腱鞘炎と目のチックと頭痛にもなった。
最適リズムで上質な織りができるのは、大体1日3−4時間までがベストと学ぶ。

失敗も山ほどした。
誰もいない。自分でなんとかするしかない。
おかげで修正力も、メチャクチャあがった。

ずいぶん、手ができた。

作品のうまくなり方は
腹をくくってからが、はるかにスピードが上がったと思う。
あのまま、ただ教室にいたら、決して到達できなかった世界。


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もちろん一人ではない。
プロデューサーであり、最良のパートナーである石井美穂との協奏である。

パートナーがいてくれるから、独りよがりではない客観性が生まれる。
自分だけでは作れない、世界観やデザインを生み出すことができる。

上達していくプロセス感も含め。まだまだではあるけれど。
ここがスタート地点ではあるけれど。

ほかにはない、私らしい
「はじめての北欧ストール展miniの世界」
が紡ぎ出せたのではないかと思っている。

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4 いつかは、今。
  あなたがやりたいことの、2つ目の人生は
  きっと、早くはじめるのがいい。


幸いにして手仕事は、一生コツコツできるものだけれど。
ライフシフトの領域によっては、体の動くうちにやった方が良いものも沢山ある。

いつかやってみたいことがあるならば・・・
何かをこの社会にカタチにし、実現したいことがあるならば・・・
人を導き、組織を作るのだとしたら・・・
カフェなどのお店をやるのだとしたら・・・

より若くて元気な体が動くうちが、絶対にいい。

もちろん、今すぐ仕事を辞めろ。というつもりはない。
(辞めるのもとてもオススメです♪)
仕事や家のことをするかたわらで、2つ目の人生をはじめてみることは、できる。
ローカル活動だったり、趣味や学びや、社会貢献・・・。

いつかやってみたいこと。
それは、今、はじめてみればいいこと。

【あなたがやりたいこと】の
第二の人生へのライフシフトは、早い方がいい。

そう、思います。





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