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バレエ衣裳のお手入れ。

「ワールド・ダンス・デー」に合わせてロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館がこんな動画をアップしたといお知らせが来ました。

なかなか見る事ができない古いチュチュを美術館で展示する際のお手入れ方法。衣裳展示は華やかで楽しいものですが、裏ではこんな作業があるのです。あまり動画としてみる事ができないのでご紹介しいたいな、と思いました。

ちなみにこの衣裳を着ていたダンサーはベリンダ・ライト(1929~2007)
バレエ・リュス解散の年に生まれたダンサー。

ロンドンのランベール・バレエ、ロシア帝室バレエの名花の一人オルガ・プロブラジェンスカヤがパリに開いた学校に学び、日本ではこれから全配役無料配信に驚きの嬉しいニュースが入った『コッペリア』を振付けたローラン・プティとも仕事をしています。彼が主催していた「バレエ・ド・パリ」(シャンゼリゼ・バレエ団結成前)で踊っています。

その後はロンドン・フェスティバル・バレエ団に入団しバレエ・リュス最後のダンサーの一人アントン・ドーリンも注目する才能でした。さらに後にヌレエフが亡命して参加することになる、クェヴァス侯のバレエ団にも参加。レーニエ大公とハリウッド女優グレース・ケリー王妃の結婚記念ガラなど華々しい活躍をしています。

この時代のダンサーの生涯を追うとそれがそのまま歴史になる面白さもありますね。

そして、何と日本で1977年に引退公演に出演、得意とした『ジゼル』を井上バレエ団と共に踊っています。

『ジゼル』をパートナーでもあり、人生のパートナーでもあったジェリコ・ユーレシア(1937~2020) と踊っている映像がこちらにありました。(井上バレエ団のサイトの記録によると彼は井上バレエ団では3回の来日公演を行っているそうなので、ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。いいなぁ)


ダンス・デーに忘れられたダンサーに思いを馳せるのもいいのではないでしょうか。

トップ画像にしているこちらは ↓ ジェリコ・ユーレシアが後に出身地ザグレブに寄贈した衣裳が展示されているところです。お二人の姿も見られますね。

ザグレブ

P.S. ベリンダ・ライトは個人的にはダンサーにはあまり多くないお誕生日が同じ!というので勝手に親近感(?)を持ったりして…。

ありがとうございます。 欲しかった本やプログラムを購入し、Ballet Collectionの充実に励みたいと思います!