バレエ・リュスの『ロミオとジュリエット』
『ロミオとジュリエット』と聞いて思い出すのはシェイクスピアでしょうか? プロコフィエフの音楽でしょうか? それともディカプリオの映画? もう少し古いオリビア・ハッセイの美貌が印象的な映画? あるいは宝塚と言う方もいらっしゃるかもしれません。
1968年のものは少しだけここに映像があります。
実はバレエ・リュスも『ロミオとジュリエット』を上演しているのはあまり知られていません。
セルゲイ・プロコフィエフはバレエ・リュスで1921年に初のバレエ曲『道化師たち』を手掛けていますから、あのプロコフィエフの音楽かしら?と思われる方も多そうですが、実は全く違う音楽なのです。
誰かといえばコンスタント・ランバート。
作曲家としてはもちろんですが、英国のバレエ指揮者としても大変活躍した人物です。
ストーリーもオリジナルとは違い、場面はバレエ団が『ロミオとジュリエット』のリハーサル場面から始まります。リハーサルをしている間にロミオとジュリエット役の二人が恋に落ち、何と最後は飛行機で逃げるというものでした。ロミオをセルジュ・リファール、ジュリエットをタマラ・カルサヴィナが踊りました。
飛行機に乗って去っていく場面、リファールの衣裳は当時の「飛行機乗り」
美術はマックス・エルンストとホアン・ミロ、振付はニジンスキーの妹ブロニスラワ・ニジンスカ、幕間の振付だけジョルジュ・バランシン。
1926年5月4日にモンテカルロ歌劇場で初演されました。あまり上演回数が多くない作品ではあります。
私が知る限り再現上演されていませんが、見て見たいなぁと思う作品です。
タイムマシンがあればいいのに、とバレエ・リュスの作品で詳細が分からないものに出会う度に思います。
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