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沖縄タイムス「唐獅子」エッセイ連載2011年7月〜12月

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英国ロンドンから故郷沖縄に拠点を移したばかりの2011年7月〜12月の約半年間の記録です。沖縄タイムス新聞の「唐獅子」というコーナーのために書いた当時の沖縄アートに対する見聞をエ…
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#英国

【アート・マネージメント|沖縄タイムス唐獅子⑧ 2011年11月14日掲載】

英国で沖縄の芸術を紹介することに関わり始めた直後、2008年のリーマン・ショックの影響で当時勤めていた会社が倒産してしまった。いきなりピンチに立たされ、就職活動を始めたが、これまでの経験を生かせる写真関連の専門職は、衰退していく一方であった。ろくに面接すらしてもらえず、自分の真価を問われているようで、落ち込むこともあった。

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【人心同天地|沖縄タイムス唐獅子⑦ 2011年10月31日掲載】

*これまでに執筆した記事を振り返っています。 10月を振り返ってみると、海外からの訪問者が相次いだ月だった。今回で2度目となるフランスからの美術関係者の訪問に始まり、世界のウチナーンチュ大会には、英国沖縄県人会とロンドン沖縄三線会のメンバーが十数人来沖した。その際に、我が家を宿泊先として提供し、英国式B&Bのようなスタイルで迎え入れた。B&Bとは、ベッド&ブレックファーストの略で、寝床と朝食を提供する民宿のようなものである。   これまで英国で開催された沖縄のイベントでは、

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【優しいということ|沖縄タイムス唐獅子③ 2011年8月22日】

ロンドン北部で黒人男性が警察官に射殺されたことをきっかけに発生した英国暴動事件。映像を通して見た、見覚えのある通り、通っていたお店、そこにいる人たちと聞き覚えのあるなまりの英語。私が以前に住んでいた地域で起こった、異常な光景に、言葉が無くなり、心が痛かった。その映像の中で、唯一、救いだったのは、放火された店内に飛び込んで、火を消す1人のおじさんの姿だった。なぜ、ああいう事件に発展してしまったのか、考えることはあるけどもそれを簡単には言い表せない。

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【身近なアート|沖縄タイムス唐獅子① 2011年7月25日掲載】

1997年に遊学目的で渡英した。当時、英国はまだワーキングホリデー制度がなかったが、学生をしながらアルバイトをして、生きた英語を身に付けた。1年の滞在予定が、気が付くと、あっという間に13年も過ぎてしまっていた。

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